日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

◎私的な新型コロナワクチン接種の展開

〇わたし自身はどちらかというと、肺機能が極度に悪いこともあり、新型コロナ感染に嫌な感じを持っているが、対策としては、まず食生活をはじめ日々の暮らしで自己免疫を高めておくこと、手指消毒・マスク・三密を避けるなど必要最小限のことはして、出来る…

◎6月23日の沖縄『慰霊の日』と「平和の詩」

〇1965年に制定された沖縄の『慰霊の日』は沖縄戦などの戦没者を追悼する日。 1945年6月23日に、旧日本軍の組織的な戦闘が終結した日に当たる。 憲法九条の戦争放棄条項支持の力源は、人びとの戦争体験と思う。身近な家族、友人をなくし、二度の…

◎孫の成長記録(姉2歳7ヶ月、弟9ヶ月)

〇コロナウイルスの現状のなか、保育所は「3密の壁」や社会の状況などよくわからない幼児たちをみることなど、保育士たちの気の使い方は大変だと思う。 そのことばかりではないと思うが、今日は家庭で見てくれないかの要望がきて、朝から二人の孫と付き合う…

◎コロナ禍を生きる“共感力”(山極壽一の発言から)

〇現在のコロナの状況から、さまざまな角度から提言を展開している人類学者の山極壽一氏の発言は共鳴することがあり、それを見ていく。 氏の見解は、今回のコロナ禍の大きな問題は“人間らしさの危機”で、そのキーワードは“共感力”と述べる。 人間に近いゴリ…

◎コロナ禍と社会的共通資本(宇沢弘文『社会的共通資本』から)

〇5月2日放送の「BS1スペシャル 欲望の資本主義 特別編「コロナ2度目の春 霧の中のK字回復」の中で、宇沢弘文『社会的共通資本』の理論が大事であるという論者が何人かいた。 現在、新型コロナ感染症で世界の人々の生活が大きく変化し、金融危機以降に広が…

◎とほほ主義と知性(内田樹『ためらいの倫理学』から)

〇内田樹の論考は好きで、それは述べていることが適切であるかどうかというより、他の人が言いそうもないことを、独自の見方で展開していて、なる程そうだよねという言葉がいたるところにある。そして、その文体の流れが大層面白い。 著名になる前の本書の論…

◎孫の成長記録(姉2歳6ヶ月、弟8ヶ月)自制心の芽生え

〇お姉ちゃんの尿意 しばらく前から、2~3時間おきぐらいに確かめていたが、ここにきて尿意を事前に教えてくれるようになり、わが家では幼児用のオマルを用意していて、そこに座り、尿をまとめてしっかり出すようになった。 オマルはパンダ仕様でお気に入り…

◎3度目の緊急事態宣言に思う。(岩田健太郎氏の提言など)

〇大阪、兵庫、京都、東京に3度目の緊急事態宣言が発令されるという。 今度の非常事態宣言についての印象は、ひたすら市民に「自粛のお願い」してばかりで、政府などの対応があまり伝わってこない気がしている。それなりにしていると思うが、ブレーキとアク…

◎非常時の心構え(コロナ禍の状況の中で)

〇自由な行動と豊かな暮らし この時期は行楽に各地に出かけていたが、昨年2月から一年以上、行動範囲はせいぜい居宅から1時間程度で神戸市からは出ていない。 居宅はどちらかというと都会地にあるが、近くに自然豊かな大小の公園もあり、季節の草花や海沿い…

◎疑問と好奇心(アインシュタイン・レイチェル・カーソンの言葉から)

○2歳半過ぎの孫の好奇心あふれた行動は微笑ましい。 マンションの結構広い庭に、私はほとんど注意を払わないが、孫にとっては、ワンダーランドで、蟻やダンゴムシなど虫たちの動き、面白い石やへんてこなものをしばらく眺めていじりまわしている。 これはど…

◎「イベルメクチン」と「新型コロナウイルス」のこと

〇最近、新型コロナウイルス感染症の治療や予防に「イベルメクチン」の有効性が一部で話題になっている。懇意にしている友人も大層な期待を寄せている。 その期待のかけ方がどうかなと思ったので、そこでいろいろ調べてみた。 イベルメクチンについては2015…

◎孫の成長記録(姉2歳5ヶ月、弟7ヶ月)「見立て遊び」の面白さ。

〇午後遅くから3時間ぐらい二人の孫をみる生活が続いている。 弟はしばらく前から離乳食をはじめ、おぐらやま農場のリンゴをすり卸して、スプーンから食べさせるのも慣れて、モグモグして上手に食べている。 歯も生えてきて、娘と相談して、リンゴを薄く切…

◎固定観念としての健康観(イヴァン・イリイチ「管理された健康に抗して」から)

※健康について(イバン・イリイチ「管理された健康に抗して」から)タイトルを変えての改訂再録。 〇健康は,一人ひとりの人格に応じて定義され、一人ひとり違ったしかたで求められる。 固定観念は、「俺は絶対にこう思う」というのもあるが、時代や環境に影…

◎新型コロナウイルスのワクチンに思う。

〇最近の話題として、新型コロナウイルスのワクチンの入荷・用意と、その接種対象者のプランが提示されている。すでに医療従事者等への接種が順次行われている。 厚生省によると接種を行う期間は、令和3年2月17日から令和4年2月末までの予定。最初は、医…

◎寺田寅彦の災害観について学ぶ②(「津波と人間」「日本人の自然観」より)

〇「津波と人間」より 《昭和八年三月三日の早朝に、東北日本の太平洋岸に津浪が襲来して、沿岸の小都市村落を片端から薙なぎ倒し洗い流し、そうして多数の人命と多額の財物を奪い去った。明治二十九年六月十五日の同地方に起ったいわゆる「三陸大津浪」とほ…

◎寺田寅彦の災害観に学ぶ①(随筆「天災と国防」より)

〇東日本大震災の激甚災害から10年になり、また、新型コロナウィルスという厄災の渦中、NHK「100分de名著・第1回 寺田寅彦「天災と日本人」」が放送された。 番組は寺田の災害観のエッセンスがつまった随筆集「天災と日本人」をもとに、「自然」とのつな…

◎孫の成長記録(姉2歳4ヶ月、弟6ヶ月)

〇最近は、午後3~4時ごろ弟を我が家に預け、娘がお姉ちゃんを保育園から連れて帰り、しばらく一緒に遊び、その後赤子は娘と居宅に戻り、お姉ちゃんはわが家に残りお風呂入れも含めて遊ぶという流れで、総じて3時間ぐらいで、その間は孫中心の暮らしであ…

◎異質なものとの共存(ブレイディ みかこ『他者の靴を履く』より)①

〇人類史において「協力」および「共存」が進化の一つの大きなキーワードになると言われている。それには「共感」によるものだけではなく、異質なものとの共存が大事になると考える。 また、共感による繋がりの危うさも取り上げられるようになった。 多様性…

◎“良心を束ねて河となす”(中村哲のことばから)

〇昨年暮に放送され、昨日再放送があった、Nスぺ「良心を束ねて河となす 〜医師・中村哲 73年の軌跡〜」を再度観る。 番組から、日々触れる人々や自然を慈しみ、そこから醸し出される思いや言動が、あのような偉大なことを成し遂げたことにつながったことが…

◎多元主義と「多一論」(中島岳志×島薗進『愛国と信仰の構造』から)➂

◎多元主義と「多一論」(中島岳志×島薗進『愛国と信仰の構造』から)➂ 第七章「愛国と信仰の暴走を回避するために」では、我が国のネット右翼の台頭や世界各地で進む伝統宗教の復興、宗教ナショナリズム、原理主義が存在感を強めている理由から、違いのある…

◎ユートピア主義と近代科学(中島岳志×島薗進『愛国と信仰の構造』から)②

※中島岳志は、「自力と他力のユートピア主義の間で揺れる近代」で色合いの違う戦前の二つのユートピア主義を取り上げる。 ひとつは、日蓮主義系の超国家主義者のように、社会を宗教的・合理的に設計すれば、理想的な社会が実現できるとする設計主義的なユー…

◎ユートピア主義と全体主義(中島岳志×島薗進『愛国と信仰の構造』から)①

〇中島岳志×島薗進『愛国と信仰の構造』「全体主義はよみがえるのか」を読んで。いろいろと学ぶところが多かった。特に、本書全体を通して「宗教とは何だろう」を考えることになった。対話の二人も「宗教とは何か」の再定義の必要性を述べている。 『ウィキ…

◎孫の成長記録(姉2歳3ヶ月、弟5ヶ月)「わたし」で自分が深まっていく。

〇「わたし」で自分が深まっていく。 お姉ちゃんは行動範囲も広がり、エネルギシュに動き廻り、散らかし方もますます派手になる。 ことばも増え、自己主張が非常に強くなり、自分の思いを伝えたいという欲求も高くなって、「いや」という否定もはっきりいう…

◎もうろくの冬から(鶴見俊輔『敗北力』を読む)

〇『敗北力−−Later Works』は、2015年7月、93歳で死去した哲学者、鶴見俊輔さんの遺著ともいうべき本。 「Later Works=レイター・ワークス」は鶴見さん自身が書き留めていた言葉で「晩年の作品集」という意味合いになるのか。文芸評…

◎書評:増田望三郎(著)『安曇野で夢をかなえる』(安曇野文庫 Kindle版、2018)

〇我が家感覚のゲストハウス・安曇野地球宿の主宰として、市民共感の市政をしている安曇野市議会議員として、意欲的な社会活動を展開している実践者として、常々注目している増田望三郎氏の自伝『安曇野で夢をかなえる』を、この正月に読んだ。 本書は2016年…

◎2021年年頭に当たって、(「老い」や「病」と向き合う)

みなさま明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いいたします。 ------ 〇病気の現状 2019年10月、脊髄小脳変性症と診断され、3週間ほど入院した。 その後の状況をみると、ますますひどくなりギクシャク度は増していて、ふらつきも頻度…

◎孫の成長記録(姉2歳2ヶ月、弟4ヶ月)コミュニケーションの基本。

※〈教育やケア(子育てや介助・介護)は、その相手である一人ひとりの思いに濃やかに耳を傾けることからはじまり、また相手がいつの日かみずからの足で立つ、みずからをたてなおすのをじっと待つ、ということがとくに大きな意味をもついとなみである。〉(鷲…

◎〈対話〉の可能性(鷲田清一「ひとを理解すること」から)

〇先日掲載した、平田オリザ『対話のレッスン』の「二一世紀、対話の時代に向けて」で次のように述べる。 〈二一世紀のコミュニケーション(伝達)は、「伝わらない」ということから始まる。……対話の出発点は、ここにしかない。 ・私とあなたは違うというこ…

◎共同性と共同幻想(鶴見俊輔と吉本隆明の対話などから)

〇ひとは他者との相互依存でなりたっている。「わたし」の生も死も、在ることの理由も、他者とのつながりのなかにある。 また、ひとりでは生きていけない人間は、さまざまな人間とコミュニケートしながら社会をつくる。 最近の進化生物学は、ヒトは同胞とと…

◎他者の異質性を尊重する社会(中島義道『「対話」のない社会から)

〇中島義道『「対話」のない社会―思いやりと優しさが圧殺するもの』を読む。 第1章「沈黙する学生の群れ」で、「何か質問は?」と教師が語りかけても沈黙を続ける学生たちなど具体的なご自分の体験の事例をあげ、第2章「アアセヨ・コウセヨという言葉の氾濫…