日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

遠藤周作

◎混沌とした心理の中に(遠藤周作『人生の踏絵』(新潮社、2017)を読む)

〇『人生の踏絵』は、『沈黙』の創作秘話をはじめ、海外小説から読み解く文学と宗教、愛と憐れみ、そして人生の機微と奥深さを縦横に語った講演録で、小説を書く作家の心構え、その作品を読むときの大事な視点など、考えさせられる内容が縦横無尽に語られて…

◎沈黙の灰の中から呼び起こし(遠藤周作『沈黙』を読む)

※マーティン・スコセッシ監督の映画『沈黙』を観る機会があり、その後遠藤周作の小説『沈黙』を読んだ。 〇小説『沈黙』 寛永14(1637)年の島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい中、隠れキリシタンが僅かに残る江戸期日本に、二…