日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

日々彦通信から

◎高齢社会に思うこと(エリック・ホッファーの「人間の条件について」からの考察)

※改訂再録 〇病弱者や障害者、老齢者に対する思いやりがなければ、文化も文明も存在しなかっただろう。 先日老年学会から「高齢者の定義を75歳以上に」という提言があった。老齢意識は人それぞれであり、目安として健康寿命があり、統計では男女いずれも70歳…

◎前未来形で自分の過去を回想する(改訂再録)

〇みなで支え合いながら、よりよく生きていこうよ ​ 多くの人にとって、過去のつらい出来事や思い出話を語るとき、「過去におきた事実」をありのままに語ることはできないだろうと思っている。意識的か無意識的であるかは、人によって違いはあると思うが、現…

◎熊本地震から1年たって

〇『熊本地震2016の記憶』から 熊本地震から一年たち、ここ数日各種報道による様々な声が発信されている。車中泊などで直接死よりも関連死の方が多いという特異性があるなど、その困難さが伝わってくる。 一方、次から次へと起こってくる様々な情報のなかで…

◎不慮の出来事の受容について

〇人生が何を私たちから期待しているのか ・はじめに 最近、知人の訃報が続き、親しくしている人の急遽入院されたとの連絡を受けることがあった。 私は、特に身体に関して妙な違和感を覚えることが多くなり、「老い」や「死」について考えることも度々おこる…

◎自分自身との関係の取りづらさについて

〇自分の不快要素との折り合い ​ 自分自身との関係の取りづらさについては高齢者に限らず、誰にとっても大事な課題となる。生きている限り、私たちは無数のもの、他者に支えられている。私の成り立ちをみていくと、私一人で作り上げたものは殆どない。 未生…

◎「責任」とはなんだろう。(認知症事故賠償訴訟に触れて)

〇「認知症事故賠償訴訟」の判決について 平成19年、愛知県大府市のJR共和駅の構内で、認知症の91歳の男性が電車にはねられ死亡した事故で、JR東海は振替輸送にかかった費用などの賠償を求める裁判を起こし、1審と2審はいずれも家族に監督義務があ…

◎人間に適った地域包括ケアシステムの構築について

〇知人Kさんの投稿から 最近、知人Kさんの、80歳前後の両親の今後についての思いを綴ったFacebookへの投稿があった。 それに対し、様々な方からご自分の体験などを交えてのコメントが続いている。 私も、このことはKさんだけでなく現在の高齢社会の課題…

◎「老い」のイメージ(向老の記)

〇〈老い〉や〈高齢社会〉について現時点(今年70歳になり向老期として見ている)で思うことを綴っていこうと考えている。 現在は見方が少し変わってきているが。以前、高齢者の介護活動や義父母をみとるなかで、「老いる」とは、どういうことなのかについ…

◎2016年を振り返って

(12月28日) 年末が近づいてくると、一年を振り返る気持ちがおこる。今年は知人・友人が亡くなったり、あるいは長期入院したりすることが増えてきた。 高齢になり人が病気になったり亡くなったりするのは致し方のないことだが、その人との関係が深いと、い…

◎義母の3回忌に思う

〇法事やお墓について 先日義母の3回忌の法要、法事を執り行った。喪主はわたし。4月に母の3回忌があり、いずれも90歳を超えての死で、自然の流れのようであり、故人を偲ぶというより残された遺族の親睦の機会という感じだった。親族たちと交流するのは…

◎「いるだけでいい」と言い切れる〈ひと〉に

〇相模原・障害者施設殺傷事件に触れて それを知人から知らされたとき、「なんて酷いことをするのだ」というような思いが出てくる。その後のニュースや知人の話から、犯人の「重度の知的障害者や重複障害者は1人で生きることができず、税金で養ってもらって…

◎信念と態度について

〇昨日(17日)は誕生日で69歳になる。その日は、マスコミでは舛添東京都知事の辞職とイチロー選手の安打記録の話題が盛んだった。そのことに関連して〈信念と態度〉のことを考えた。 ここでいう〈信念〉とは、意識的・無意識的にかかわらず、ある考え方を「…

◎再帰的な性質「リカージョン」について

〇人間の脳を特徴づけている再帰的な性質「リカージョン」について、池谷裕二論を参照しながらあげてみる。 「言語の構造の一つの特徴は、リカージョン、つまり「再帰」にある。—-再帰とは、「タロウ君は、ジロウ君が、ハナコちゃんがお人形遊びをするの、を…

◎「間違い主義」と「アブダクション」について(2)

〇何か考えていくときの方法として、帰納法、演繹法と並ぶ第三の推論法として、アブダクションがある。最新の科学成果を駆使して、具体的に語ってくれる池谷裕二に面白さを感じている。。 アブダクションとは、 起こった現象を最もうまく説明できる仮説を形…

◎「間違い主義」と「アブダクション」について(1)

〇このところ、「自分にたてこもらない(他者体験)」ということを考えている。最近、まど・みちおの戦争協力詩についての一連の報道に触れていくと、「間違い主義」のことにつながっていった。 それについて、鶴見俊輔は、次のように度々取り上げている。メ…

◎糖尿病と人類の食生活の歴史について 

〇糖尿病と糖質制限食について 昨日、芦屋市のY内科クリニックに行き、検査・診察を受けた。高血糖で15年ほど前から服薬を続けているので、移住後いろいろ調べて、糖尿病に関して相談できそうなところを探し、診察を受けている。 昨年の9月半ばから、糖尿病…

◎自分にたてこもらないコミュニケーションとは 

〇わからないものをそのまま受け入れる 最近ネット上での言葉のやり取りで、とても嫌な思いがしたことがある.いろいろ振り返ってみると、これと同じような感情はだいぶ前のことになる。引っ越しする前の8年間の暮らしでも、いろいろなタイプの人と関わった…

◎自我意識にたてこもらない他者体験 

〇異質な他者と 25日のブログで、「エマニュエル・レヴィナスは,自我意識にたてこもらない他者体験を,『他者の顔』と表現した。そして,「顔を前にして応答する」ことは「顔に対して責任を負う」ことであるとして,リスポンシビリティ(応答可能性=責任)…

◎杉原千畝からエマニュエル・レヴィナスへ

〇「顔を前にして応答する」ことは「顔に対して責任を負う」こと。 知人のブログやFacebookの投稿を読んで、触発されることがよくある。最近映画化にもなって話題になっている杉原千畝について、知人KさんやFさんの投稿記事で、映画の感想も含めて様々な角度…

◎石川直樹『いま生きているという冒険』

〇「老い」への冒険 安曇野地球宿のスタッフK君が、2年間の体験を終えて、新たな一歩を踏み出すとのメールが送られてきて、何か応えたくなり返信のメールを送った。2度地球宿を訪問し、彼の存在の大きさを実感していて、この期間、望さんが政治に専念でき…

◎ないない尽くしの私から

〇おぐらやま農場からのお便り 先日、おぐらやま農場から「あいかの香り・名月・王林・洋梨・南水梨」のバラエティーに富んだセットがおくられてきて、農場便りや紹介文も含めて、日々の暮らしに楽しみを添えている。 以前のブログでも触れたが、農場は炭素…

◎「人間らしさ」と「動物的ですらなかった」に関しての覚書

〇こころに残るエピソード ​ 昨日知人夫妻が遊びに来てくれた。小説の話になり、旦那は村上春樹の新刊の話を、奥さんは最近大岡昇平「野火」を読んだとのことで、話が弾んだ。 最近のブログに、『野火』についての雑感を載せていた。その際に、戦時下におけ…

◎身体をむしばむ思い込みやゆがんだ健康概念

〇糖尿の薬をやめてみる ​ 私の身体を心配した娘から、それについての研究、仕事をしているM氏を紹介された。その方は、病院のリハビリ指導を経て接骨院を立ち上げ、現在はボクサーのトレーナなどをしながら、体の研究に励んでいるそうだ。 昨日、いろいろ…

◎個人や組織の所有から、社会で活用していくような仕組み

〇家の整理や処分で思うこと 家の処分に関しては、先ず子どもや親族、ごく親しい知人に声かけ、誰もいないなら、精神障害者の退所支援をしている精神保健福祉支援グループにと考えていた。この地区では空き家が増え続けていて、それだけは避けたかったが、築…

◎身軽なこころとは

長年、義父母が暮らしてきた家の整理 ここのところ連日、あらゆるものを整理整頓して、次の準備に取り掛かっている。7月25日に、義母の一周忌法要があり、その後、現在の住まいを次の人につなげ、身軽になって移住しようとすすめている。 それにしても、…

◎家族のようなその他の関係

〇知人の死去や入院に触れて ​ 6月末に逝去された知人二人の様子について、以前から、癌のことや体調がすぐれていないことなど三人の友人からメール連絡を受けていた。友人からは、親身になって心配している様子が伝わってきて、連絡をしていただくのはあり…

◎老老介護、ある事件に触れて

○私の母のことに思いをはせる 6月19日の新聞(山陰中央新報)に「93歳母の首絞め死なす」との見出し記事が掲載されていた。事件をおこした当事者は入院中の父親と介護をしている母親と暮らしている70歳になる長男だ。 朝方、自宅を訪問した介護施設の…

◎義父母の朝鮮移住と在朝日本人について

〇義父母と戦争体験 ​ 義母一家が朝鮮に移住したのは大正末頃だった。その理由を詳しく話してもらわなかったが、心機一転的な要素があったようだ。 3・1運動後の文化政治の陰で、治安第一主義の標榜のもとに警察官の募集が積極的に行われ、義母の父親は巡…

◎朝鮮で生まれた母、育った義母

〇母と朝鮮 私の母は、1919年に朝鮮忠清南道公州郡の郵便局官舎で出生した。母の父は一家で朝鮮に移住し、そこの郵便局を見ていく人として配置されたらしい。ところが、その当時スペイン風邪が世界中で猛威をふるっていて、その渦中で亡くなり、幼児の頃…

◎見た目の秩序と乱雑さ 2(エントロピー増大の法則)

〇しわよせの構造 先日のブログで、自分たちの生命や生活の秩序を維持しようとする活動は、往々して、エントロピーの増大を先延ばしにしている、あるいは逆に、しなやかで揺らぎのある秩序を削いでいるのではないのかということに触れた。 家庭菜園を始めて…