日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

◎「関係のあり方・質」を問う(是枝裕和監督映画『万引き家族』より)

〇『万引き家族』は、樹木希林演じる初枝の年金をあてに集まり、万引きで足りない生活費を補いながら暮らす“家族”の絆を描く。 「血縁でつながっていない『共同体』というモチーフを、ここ10年追いかけてきた」という是枝氏の、「犯罪といわれるものでつなが…

◎孫の成長記録(1歳5ヶ月)心をもつ者として

〇孫の成長記録①孫の能動性を大事にしながら よく利用するところがすべて閉鎖されていて、散策を兼ね、孫を連れて近くの芦屋公園によくいく。公園には、ブランコ、滑り台、砂場などがあり、そこを嬉々として遊びまわる。 乳幼児にとって積極的に行動すること…

◎「記憶を失うと、その人は“その人"でなくなるのか?」

〇恩蔵絢子著『脳科学者の母が、認知症になる』を読んで。 内容は、記憶を失っていく母親の日常生活を2年半にわたり記録。アルツハイマー病になっても失われることのない脳の力を、脳科学者として、娘として考察していく。 認知症に関して、家族や仕事でいろ…

◎語りなおしと、その〈伴走者〉(鷲田清一『語りきれないこと 危機と傷みの哲学 』から)

〇鷲田清一『語りきれないこと』から 東北大震災以後に書かれた、鷲田清一『語りきれないこと』を読み返した。 「まえがき」で鷲田は次のように述べている。 〈被災地の人たちのからだの奥で疹いたままのこの傷、この苦痛の経験が、やがて納得のゆく言葉でか…

◎九年目(2020年度)の東日本大震災の記録から

※「“中間貯蔵施設”に消えるふるさと~福島 原発の町で何が~」「“奇跡”の子と呼ばれて~釜石 震災9年~」の二つの記録を取り上げる。 〇7日にETV特集選「“中間貯蔵施設”に消えるふるさと~福島 原発の町で何が~」をみた。番組内容は次にようになっている。…

◎共存そして希望を(渡辺京二『東日本大震災で考えたこと』から)

〇 渡辺京二は『東日本大震災で考えたこと』の「かよわき葦」で次のように語っている。 〈人間がこの地球上で生存するのは災害や疾病とつねに共存することを意味する。(中略) 人間が安全・便利・快適な生活を求めるのは当然である。物質的幸福を求めずに精…

◎「誰もが安心して暮らせる」社会気風を(新型コロナウイルスについて思う)

〇新型コロナウイルスについて思うこと 伝染病などによる感染症の歴史は生物の出現とその進化の歴史とともにあり、有史以前から近代までヒトの疾患の大きな部分を占めてきた。 いろいろ調べて、次のことがいえるのではないかと思う。 ・感染に関しては、発病…

◎「自己」と「非自己」から「死」に対する心構え

〇さまざま社会現象や知人、友人の近況に触れて、何がおこるのか、いつどうなってしまうのか分からないなということを改めて感じる。特に50歳頃肺気腫で1か月入院し、肺・呼吸系統は弱いので、新型コロナウイルスについて少し気にはなっている。 近年、身近…

◎「共感力」と「共食」

〇共感力と共食から思うこと① NHKスペシャルの〈食の起源第5集「美食」〉で、「共感能力」が人々の「食」の成り立ちに大きな影響を及ぼしているとのことから、「共食」のことを思った。 昨年3週間の入院から帰ってきて、普段ほとんど意識することはないが…

◎「食」のおいしさと「共感能力」

○NHKスペシャル:〈食の起源第5集「美食」・人類の果てなき欲望!?》をみる。 人間がおいしさを感じる仕組みの不思議を探る内容。この手の番組はある角度から構成しているので、「?」を入れて見ることが必要だが、面白かった。 人類史にとって永い間、食…

◎孫に接して(池谷裕二『パパは脳研究者』を読む)

◎孫の成長と爺の老化の双曲線。(池谷裕二『パパは脳研究者』を読む) 孫が生まれてから1年4か月になる。歩くことをはじめ、さまざまなことに能動的になってきた。図書館に行くと、歩きまわり、気に入った絵本を捜している。 孫の成長を見ていると、ひとりの…

◎孫の成長記録(1歳3~4ヶ月)『適当』という人間のかしこさ」

〇孫は大部前からこちらが言うことはおおよそ分かるようになってきて、「オムツとって」「赤いあれを持って来て」「そこを閉めて」などというと応えるようになってきた。 すこし前から、言葉らしきものを出すようになる。「ママ」「マンマ」「ババ」などを言…

◎『アイズ』の「口笛カフェ」と「くちぶえ教室」について

〇高次脳機能障がい支援の『アイズ』の口笛カフェに参加する。当日は、昨日のびわ湖大津プリンスホテルで開催された「障害者の文化芸術フェスティバル」での『白井いさおと愉快な仲間たち』の報告から始まった。 その後、一人ひとり口笛演奏を披露した。皆さ…

◎難病を抱えて、今思うこと

〇脊髄小脳変性症の診察を受ける。 昨日、寒波南下で今冬一番といわれている寒さの中(神戸2℃)、退院後3ヶ月目の脊髄小脳変性症の診察を受ける。来る途中風がとても強く、揺らされながら病院にたどり着く。風花が舞っていた。 この総合病院はかなり大きく、…

◎孫の成長記録(1歳3ヶ月)一生懸命に今を生きる

〇孫が生まれてから1年3か月になる。歩くことをはじめ、さまざまなことに活発になってきた。その成長を見ていると、ひとりの人が生きていくことに、いろいろな思いが湧いてくる。 1歳を過ぎたころから、伝え歩きがはじまり、今はほとんど歩き回っている。ま…

◎「自分のこととして」みていく

〇今話題になっている新型コロナウイルスのことで、どちらかというと私にはある程度距離を置いた出来事だったが、奈良の観光バスの運転手に症状がでたとの報道に、バスの運転手をしている友人のS君のことを思い、ぐっと身近なことになる。 ヒトからヒトある…

◎〈生き抜く〉ことへの信頼感を培う(岩崎航のエッセイなどから)

〇岩崎航エッセイ集『日付の大きいカレンダー』から ・「僕にはもう夢も希望もないよ」 茫然と無感動な日々に流されていた頃、ぽつりと母に言ったことがあります。たんなる恨み言や愚痴というよりも、ごまかしようのない命の奥底からもれた呻きだったと思い…

◎ある制約から可能性をひろげる(館野泉さんに触れながら)

※館野泉さんに触れながら、「制約」(条件や枠をもうけて、自由な活動や物事の成立をおさえつけること)と、それにとらわれることなく、自由に可能性を広げていく見方を考える。 老化・疾病・障害の見方にも大いに関係していると思う。 〇 館野泉さんのこと …

◎倉本聰『昭和からの遺言』1・2(足裏の記憶)を読んで

〇友人に紹介されて倉本聰『昭和からの遺言』1・2(足裏の記憶)を読んだ。 倉本聰が昭和の時代を、自らの体験と独特の切り口でふりかえる。NPO法人富良野自然塾の機関紙『季刊・カムイミンタラ』連載をもとに書籍化したもの。 1冊目、2冊目をとおして、…

◎一般社団法人『アイズ』に「口笛カフェ」の活動があること

〇19日、高次脳機能障がい支援の『アイズ』の口笛カフェに参加しました。 前回に続いての2度目の参加です。 家で練習していて、口笛らしき音が7割ぐらい出てくるようになり、当日は臆面もなく「上を向いて歩こう」に挑戦しましたが、ほとんど音も出なく、ア…

◎阪神淡路大震災から25年がたち、思うこと。

〇先日阪神芦屋駅の踏切で高齢と見える男の人が転んだ。丁度信号が鳴り出し、遮断機が下りるところだった。すぐに線路の外に這い出してきたが倒れたままだった。丁度眼の前でみたので、ハットしたが、自分の体は動かなかったというか動こうとしなかった。 そ…

◎ユーモアの精神で「老い」「病」を生きる(天野忠の詩集から)

〇内田樹『ひとりでは生きられないのも芸のうち』のなかの小編「あなたなしでは生きてゆけない」から、自分にとって「かけがいのない人」について考えてみた。まず浮かぶのは妻である。面と向かってはいわないが、心の底にはあるだろう。 70歳を過ぎた私たち…

◎魂の奥底から思うこと(岩崎航詩集『点滴ポール ~生き抜くという旗印』を読んで。②)

※同日の【貧しい発想(岩崎航詩集『点滴ポール ~生き抜くという旗印』を読んで。①)】に続いての投稿記事。 〇2015年5月、6月と読売新聞のヨミドクターの岩永直子さんから5回に亘って編集長インタビューを受けて、その記録が、読売新聞・「yomiDr」に掲載…

◎貧しい発想(岩崎航詩集『点滴ポール ~生き抜くという旗印』を読んで。①)

※この記事のもとは、2016年1月6日に発表した【岩崎航詩集『点滴ポール ~生き抜くという旗印』を読んで。】である。そこに今の時点で考えたことなどを付け加え、読売新聞のヨミドクターの岩永直子さんとのインタビューの発言を編集した。2回に分けて述べる。…

◎認知症になることは、不便だけども、不幸じゃない

○NHKスペシャル「認知症の第一人者が認知症になった」を見る。 認知症医療の第一人者、長谷川和夫さん(90)が、自らも認知症であることを公表した。その姿を一年余に渡って記録したもの。 長谷川先生が開発した認知症スケールは亡くなった義母の診断に使わ…

◎家の娘は甲でも乙でもなく美帆です。

〇「津久井やまゆり園」事件関連のニュースで次のことが印象に残った。 2016年7月、相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で、障害者ら45人が殺傷された事件の裁判員裁判が8日、横浜地裁であった。 初公判を前に7日、事件で亡くなった女性(当時…

◎病気を楽しむ心とは

〇「今年のささやかな抱負」 ・一日一万歩:退院後から続いている。ぎこちなくても歩くことを大事に。さまざまな出会いを楽しみ、同時に自然界のもろもろについての感度を磨いていきたい。 ・日録に一日一句添えて:病と向き合うことで老いる・生きることに…

◎一生の一度きりの生を慈しむ

(31日)〇年の暮れに今年を振り返って 26日に娘の夫の祖母が亡くなりました。86歳のとき大病を抱え、それと向き合いたいと、一志開催の研鑽学校に参加し、終えてすぐに、居宅に遊びにいらっしゃいました。シャキシャキした方で、今後のこと、その村のことな…

◎「老い」のかたちをつくる(1)(2)再録

※2016年12月に書いたものだが、今年難病を抱えることになり、この病状とつき合うことで、ますます老いる・生きることについてみていきたいと思っている。 〇そういう自分でいいではないか(2016年12月記録の改訂) 急な下り階段、坂道になると、とても緊張す…

◎今野浩『工学部ヒラノ教授の介護日誌』を読んで。

〇著者が50年近く連れ添った奥さんが難病にかかり、病に倒れた妻を、看護し、介護し、見送るまでを、夫の立場で描いた本。 脊髄小脳変性症関連の書籍を読んだ中では、介護のことを含めいろいろ考えさせられた。 「青土社」の紹介記事は次にようになっていて…