日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

2024-01-01から1年間の記事一覧

自閉症スペクトラムについて(子育ちアイリス通信9)

○放課後等デイサービスでは、発達障がいや発達特性のある子どもの療育機能・居場所を備えた福祉サービスで、生まれつき脳の発達がアンバランスであり、そのバランスの悪さが生きづらさの原因となる。 発達障がいは凸凹の現れ方によって、自閉スペクトラム症…

◎迷惑をかけるとは(たまゆらの記54)

○高齢者などから、「特に子どもには迷惑をかけたくない」というような言葉を聞く。 妻なしには、それらしき暮らしはできないわたしも、迷惑とはまったく思わないが、なんとか自分でやれることはやるようにしている。それは大事なことだと思っている。 迷惑の…

脊髄小脳変性症と診断されるまで(「難病とともに」②)

〇2,019年9月、胸のおでき切除で地元のkクリニックに通う。 何回か通ううちに、私の話し方や立振る舞いから、小脳関連の疑いがあり、検査をした方がいいと言われる。 実は先生の奥さんの父親が脊髄小脳変性症で亡くなったという。 そこで、父の晩年の状況は…

◎樹木希林さんの言葉より

※友人が俳優・樹木希林さんの言葉を紹介していて、いかにも希林さんらしい言葉であり、考えさせられる表現が多く、いろいろネットで調べてみた。 ネットでは樹木希林さんの名言や本などがたくさん紹介されていた。 その中で「雑誌 SWITCH Vol.34 No.6 樹木希…

孫の成長記録(姉5歳8ヶ月、弟3歳10ヶ月。妹1歳11ヶ月、三女3ヶ月)

○家族の不思議さ 赤ちゃん・凪が生誕してから、凪も入れて娘一家の暮しがはじまった。 一家の様子をみていて、家族のもつ不思議さを思う。 自分の身体から子どもを生み出した娘はもちろん、その経過をよく知っている夫をはじめ深く関わった親族は、赤子が順…

星野玲子「『幻肢痛』まぼろしの痛みと付き合って57年」(NHK障害福祉賞入選作品集より)

○はじめに 最近の病状(脊髄小脳変性症)の進み具合から、その厳しさは当事者になって見ないともうひとつ分からないものだなと考えている。 いくつかの出来事の場合、実際に体験しないで想像力で補うにしても、限界があると思っている。 このところ、難病及…

◎喜寿を迎えて(たまゆらの記53)

○6月17日に77歳になった。 俗に喜寿とも言われている。その由来は、草書体や略字で「喜」(「㐂」)と書くと、漢数字の七を3つ重ねたような形に見えることが「喜寿」祝いの由来とされている。 同じ長寿祝いでも、中国古来から伝わった「還暦祝い」や「古希祝…

「凸凹のためのこころがまえ」3(子育ちアイリス通信8)

※今回も先回に続いて、三木崇弘著『リエゾン-こどものこころ診療所―凸凹のためのおとなのこころがまえ』から見ていく。 ○「手伝ってもらってできる」ことの大切さ 本書2章に、「手伝ってもらってできる」ことの大切さ、との節がある。 《子どもに限らず大人…

◎はじめに(難病とともに1)

○2019年10月、脊髄小脳変性症と診断された。兆候はその数年前からある。 退院後3か月毎に定期診断をしてそれ用の薬を処方してもらう。その後の状況をみると、ますます酷くなりふらつきも増して転んだこともある。 居宅では何とか一人で動いているが、…

孫の成長記録(姉5歳7ヶ月、弟3歳9ヶ月。次女1歳10ヶ月、三女1.5ヶ月)

○承認の欲求・「他者から認められたい」欲求 「赤ちゃん返り」という現象がある。赤ちゃん返りとは、ある程度成長した子どもが、弟や妹が生まれたことなどをきっかけに赤ちゃんのような態度を取ること。妊娠が分かってすぐに赤ちゃん返りが始まることもあれ…

◎残されたものを最大限に生かす(たまゆらの記52)

○先日、グラグラしている奥歯を抜歯。 はじめに歯茎に麻酔をして歯をぬいた。歯はかなり割れていた。麻酔はとても痛く鼻呼吸をしながら耐えていたが、抜歯の担当者も慣れたもので、短時間で済んだ。 抜歯後食事のとき殆ど気にならなくなり、歯の状態が食生活…

「凸凹のためのこころがまえ」2(子育ちアイリス通信7)

※今回は先回に続いて、三木 崇弘著『リエゾン-こどものこころ診療所―凸凹のためのおとなのこころがまえ』から見ていく。 ○子育てのコア~思考の軸~ まず何よりも、子育ての「思考の軸」―「信念」「将来像」「子育ての目指すところ」など、長期的な展望を持…

◎孫の成長記録(姉5歳6ヶ月、弟3歳8ヶ月。妹1歳9ヶ月、三女誕生)

○娘の出産 10日に出産した娘の産院に、2日後の午後3時頃、わたしたちは訪問し、娘からお産の様子をきき、赤ちゃん・凪の名前のことや四人の孫のことなどいろいろな話をした。 娘も赤ん坊も元気で、妻が抱いている間も心地よさそうに寝ていた。出産時2900…

「凸凹のためのこころがまえ」1(子育ちアイリス通信6)

○三木 崇弘著『リエゾン-こどものこころ診療所―凸凹のためのおとなのこころがまえ』から。 本書は医療漫画として高名な『リエゾン-こどものこころ診療所-』の監修を務めた児童精神科医の三木崇弘氏による心療の入門書。 人気漫画『リエゾンーこどものここ…

書評:ルトガー・ブレグマン(著)『Humankind 希望の歴史』

○本書は各方面から注目されている本で、読み始めたらとても面白く、上下合わせて500頁程、全編説得力あり、論理的展開も見事で一気に読んでしまった。 著者は、1988年オランダ出身の歴史家、ジャーナリスト。※(翻訳)野中香方子 この著のポイントは大きく二つ…

◎孫の成長記録(姉5歳5ヶ月、弟3歳7ヶ月。妹1歳8ヶ月) 娘の妊娠

○娘の妊娠 現在娘は妊娠後期で、来月の中旬過ぎの出産予定である。 4人目の子、私から見ると孫となる。 旦那はそれほどでもなかったそうだが、娘・道花の意思は固く、40歳過ぎの高齢出産となるが、当然のように産むことにした。 人には人それぞれの人生が…

「僕だってそこに“ある” “ある”ものはみんな大切なんや」(子育ちアイリス通信5-2)

○『心なごみませ』から おんな組いのち―連載コラム(https://onnagumi.jp/home.html)に、山元加津子さんは『心なごみませ』を連載している。(※現在休止中)。 『心なごみませ』には養護学校時代のさまざまな子どもたちとの触れ合いが、よく語られている。 原…

◎さびしいときは 心のかぜです(子育ちアイリス通信5)

○これは、原田大助さんの初めての詩画集で、この表題は、次の詩からのもの。 「さびしいときは 心のかぜです。せきして、 はなかんで やさしくして ねてたら一日で なおる」 「まえがき」に次の言葉がある。 「あのね、やさしいことは気持ちがいいです。夏の…

書評:なだいなだ『娘の学校』と『続娘の学校』

○友人のブログに促されて、なだいなだ氏の『娘の学校』と『続娘の学校』を読んだ。 両書は、作家・精神科医のなだいなだ(1929~2013)が、フランス人の奥様との間に生まれた四人の娘たちに語りかける形で書いたエッセイで、著者の代表作と言われている。常…

孫の成長記録(姉5歳4ヶ月、弟3歳6ヶ月。妹1歳8ヶ月)遊びで育つ

〇遊びで育つ 孫三人を見ていると遊びを通して育っているのを感じる。 友人の「感動体験としての「遊び・教育」の記録や花野が来年学校に入ることなど、(学校)教育について関心を寄せている。 「学校」について次のような記事をよく目にする。 《英語で学…

『1/4の奇跡(「強者」を救う「弱者」の話)』より(子育ちアイリス通信4)

〇「この世に生きていることは結局、それだけで十分な奇跡なのだ。」マーヴィン・ピーク『ガラスの吹き工』(1950)〉との言葉がある。 何らかの機縁の重なりによって生まれてきた「ひとりの人」が、親をはじめ何人かの見守りで、ある程度順調に育っていくこ…

人の死は自然界に還ること(たまゆらの記51)

〇さまざま社会現象や知人、友人の近況に触れて、何がおこるのか、いつどうなってしまうのか分からないなということを改めて感じる。 近年、身近な知人や友人を見送ることが多く、最近長年交流していた同年代の友人がたて続けに亡くなり、自分も「死」を思う…

◎孫の成長記録(姉5歳3ヶ月、弟3歳5ヶ月。妹1歳7ヶ月)

〇鏡文字について お姉ちゃんはボールペンで絵や字を書くことをよくする。 だが今は、ほとんど鏡文字になる。 鏡文字とは、たとえば「し」を「J」と書いたり、「の」が逆巻きになったりするなど、鏡に写したように反転してしまうこと。 日本だけでなく、世界…

◎意識を無意識的に(要支援2の記録1)

〇はじめに 2022年5月末に要支援Ⅱに判定された。その後芦屋市の要支援対象の通所リハビリテーション施設(リハビリモンスター・以下Mとする)へ入所し訓練を始めた。 その少し前からの難病対象医療保険の「訪問看護サービス」(テオン・以下Tとする)を活用…

生きることへの安心感と信頼感を培う(子育ちアイリス通信3)

〇五行詩で著名な岩崎航氏の活動は、何があろうと心から支えてくれた両親がいた。 「僕にはもう夢も希望もないよ」 (岩崎航エッセイ集『日付の大きいカレンダー』より) 茫然と無感動な日々に流されていた頃、ぽつりと母に言ったことがあります。たんなる恨…

2024年を迎えて(たまゆらの記㊿)

○今年もよろしくお願い申し上げます 今年の抱負は大きく2つあります。 1・自分の身体のこと 病状は昨年一年でだいぶ劣化したようです。それに加えてあちこち体の不具合があり、老化も確実にすすんでいます。それに伴って心がどのように変わってくるのか関心…