日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

高齢社会

◎「老い」についての感情や思考。

〇感情、思考は、ある方向に人を誘っていく。 ある知人は、「年とったなあー」「衰えてきたなー」「物忘れがひどくなってきたなー」などよく口に出して言っていると、脳のほうもそれに合わせるような働きが強くなり、より一層そのような状態に身体もなってい…

◎「子どもに迷惑をかけたくない」の感情について

※これは5年前に書いた文章の改稿採録である。 今の私は、妻の支えがなければ日々の暮らしが困難になりつつある。生きるということは、数多のひとや環境に支えられて実現できるのは事実であるが、身近な人が、平然と自分のこととして受け止めてくれているのは…

◎退院後7ヶ月目の脊髄小脳変性症の診察を受ける。

〇孫を伴って散歩するとき、ジジババに両手をもってもらうのがお気に入りで、両手を差し出してくる。そこでぶら下がったり、引っ張たりして動きも激しくなってきた。 それについていくのがだんだん難しくなり、手を放してしまう。孫はアレッという表情になる…

◎前傾姿勢の社会から離れて

〇振り返ってみることを大事に(※改訂再録) ​ 福祉の現場で様々な高齢者に接し、父母や義父母を見送り、今や自分も難病を抱え高齢化社会の渦中に入っている。 以前、母についての随筆「今ここにある幸せ」に次のことを書いた。 【老齢や死は人としての自然現…

◎いまここのあるがままに(人生の「冬」を迎えて)

〇73歳を迎えて思うこと。 病が進みつつある私にとって、また友人の困難な状況に触れるにつけ、この先どのようになっていくのか、チラッと考えることもある。だいたいは気楽に暮らしているが。 「老いる」とは、どういうことなのかについては、仕事や身内の…

◎「考える」ことは「やる」ことより大切

〇新型コロナウイルス関連の報道に触れて、困難な状況の中で「生きる」ことについていろいろ思う。ここのところ自分自身の身体のことや親しく関わった友人たちの状態など身近な課題になっていることもある。 いろいろな困難を乗り越えて、あるいは抱えながら…

◎「記憶を失うと、その人は“その人"でなくなるのか?」

〇恩蔵絢子著『脳科学者の母が、認知症になる』を読んで。 内容は、記憶を失っていく母親の日常生活を2年半にわたり記録。アルツハイマー病になっても失われることのない脳の力を、脳科学者として、娘として考察していく。 認知症に関して、家族や仕事でいろ…

◎「自己」と「非自己」から「死」に対する心構え

〇さまざま社会現象や知人、友人の近況に触れて、何がおこるのか、いつどうなってしまうのか分からないなということを改めて感じる。特に50歳頃肺気腫で1か月入院し、肺・呼吸系統は弱いので、新型コロナウイルスについて少し気にはなっている。 近年、身近…

◎「自分のこととして」みていく

〇今話題になっている新型コロナウイルスのことで、どちらかというと私にはある程度距離を置いた出来事だったが、奈良の観光バスの運転手に症状がでたとの報道に、バスの運転手をしている友人のS君のことを思い、ぐっと身近なことになる。 ヒトからヒトある…

◎「老い」のかたちをつくる(1)(2)再録

※2016年12月に書いたものだが、今年難病を抱えることになり、この病状とつき合うことで、ますます老いる・生きることについてみていきたいと思っている。 〇そういう自分でいいではないか(2016年12月記録の改訂) 急な下り階段、坂道になると、とても緊張す…

◎「比べる」について思うこと(「ありのままを見る」ことの模索

※安義寺住職の吉水氏のFacebookの記事に示唆されることがあり、その投稿記事の「『比べる』について」を私の関心にてらして考えてみる。 〇吉水氏が述べる「比べる」は「慢」mānaマーナのことで、アビダンマの「不善心所」14項目の「欲」のグループにあり、…

◎認知症とそれを支える家族のことなど

〇 年頭に、友人が認知の衰えが激しくなり施設に入所したとの連絡を奥さんから伺った。 一昨年あたりから、排せつなどの調節がままならなくなり、家族にかなりの負担がかかっていて心配していたが、順番待ちの施設に入所できたそうである。 介護関連の活動を…

◎高齢社会に思うこと(エリック・ホッファーの「人間の条件について」からの考察)

※改訂再録 〇病弱者や障害者、老齢者に対する思いやりがなければ、文化も文明も存在しなかっただろう。 先日老年学会から「高齢者の定義を75歳以上に」という提言があった。老齢意識は人それぞれであり、目安として健康寿命があり、統計では男女いずれも70歳…

◎人生の紅葉期 (武藤洋二著『紅葉する老年』を読んで)

〇武藤洋二著『紅葉する老年』(旅人木喰から家出人トルストイまで)を読んで 古代中国の思想では人生を四季にたとえ、五行説による色がそれぞれ与えられ、「玄冬」「青春」「朱夏」「白秋」とした。生まれてから幼少期は混沌のなかにあり、相当する季節は「…

◎こころのなかに春を培う

〇紅葉の樹々に思うこと 紅葉・黄葉は、主に落葉広葉樹が落葉の前に葉の色が変わる現象で、日照時間が短くなり、気象条件が光合成に適さない冬を迎える前に葉の老化反応(植物学的)が起こる。紅葉、黄葉、褐葉の違いは、植物によってそれぞれの色素を作り出…

◎「責任」とはなんだろう。(認知症事故賠償訴訟に触れて)

〇「認知症事故賠償訴訟」の判決について 平成19年、愛知県大府市のJR共和駅の構内で、認知症の91歳の男性が電車にはねられ死亡した事故で、JR東海は振替輸送にかかった費用などの賠償を求める裁判を起こし、1審と2審はいずれも家族に監督義務があ…

◎「老い」のイメージ(向老の記)

〇〈老い〉や〈高齢社会〉について現時点(今年70歳になり向老期として見ている)で思うことを綴っていこうと考えている。 現在は見方が少し変わってきているが。以前、高齢者の介護活動や義父母をみとるなかで、「老いる」とは、どういうことなのかについ…

◎「老い」のかたちをつくる

〇そういう自分でいいではないか 急な下り階段、坂道になると、とても緊張する私がいる。何かの加減で、ずっこけたことが数度あり、緊張の度合いが足腰の衰えとともにひどくなってきた。 病院のリハビリなどに携わってきた娘の知人に見てもらったら、年齢相…

◎家族のようなその他の関係

〇知人の死去や入院に触れて ​ 6月末に逝去された知人二人の様子について、以前から、癌のことや体調がすぐれていないことなど三人の友人からメール連絡を受けていた。友人からは、親身になって心配している様子が伝わってきて、連絡をしていただくのはあり…

◎老老介護、ある事件に触れて

○私の母のことに思いをはせる 6月19日の新聞(山陰中央新報)に「93歳母の首絞め死なす」との見出し記事が掲載されていた。事件をおこした当事者は入院中の父親と介護をしている母親と暮らしている70歳になる長男だ。 朝方、自宅を訪問した介護施設の…