日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

◎子どもが育つ環境について思うこと。(二人目の孫が生まれて)②

〇子どもが育つ人的環境について 子どもが育つ環境については、物的環境、人的環境、空間的環境、時間的環境とそれぞれあるでしょうが、僕が最も大事にしていきたいのは、人の和ではないかと考えている。 子どもが健やかに成長していくためには、できるだけ…

◎子どもが育つ環境について思うこと。(二人目の孫が生まれて)①

〇よい環境で育つ、人の中で育つ ひとは生きるために、その生涯の出発点で、他者からの援助を必要とする。赤ちゃんはぎゃあぎゃあ泣いて、お乳をほしがって、飲んで、寝て、うんこして、お母さんの顔を懸命に覚えて、とにかく必死で生きようとしている。 そ…

◎孫の成長記録(姉・二歳、弟・二か月)

〇姉は10月20日の誕生日で満二歳。8月28日生まれの弟はもうすぐ二か月。 何かと二人の孫のどちらかをみることが続いている。 新生児を預かるのは、お姉ちゃんよりも、今のところだいぶ楽だ。 弟の様子を見ていると、姉の成長の軌跡を思い、二年という…

◎広々した時間意識で(内田樹『サル化する世界』より)

〇本書は「今さえよければ自分さえよければ、それでいい」―サル化が急速に進む社会でどう生きるか? との内容で、ポピュリズム、敗戦の否認、嫌韓ブーム、AI時代の教育、高齢者問題、人口減少社会、貧困、など、講演や論考をまとめたものとなっている。いく…

◎退院後10ヶ月目の脊髄小脳変性症の診察を受ける。

〇今日は定期的な検査でK病院に行く。新型コロナウイルスもある程度落ち着いてきたが、ごった返していた総合病院の窓口受付はそれ以前と比べて4分の一程度になったのか、受付から診療まですんなり進む。 ヘンな言い方になるかもしれないが、それほど必要性…

◎混沌とした心理の中に(遠藤周作『人生の踏絵』(新潮社、2017)を読む)

〇『人生の踏絵』は、『沈黙』の創作秘話をはじめ、海外小説から読み解く文学と宗教、愛と憐れみ、そして人生の機微と奥深さを縦横に語った講演録で、小説を書く作家の心構え、その作品を読むときの大事な視点など、考えさせられる内容が縦横無尽に語られて…

◎沈黙の灰の中から呼び起こし(遠藤周作『沈黙』を読む)

※マーティン・スコセッシ監督の映画『沈黙』を観る機会があり、その後遠藤周作の小説『沈黙』を読んだ。 〇小説『沈黙』 寛永14(1637)年の島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい中、隠れキリシタンが僅かに残る江戸期日本に、二…