日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

鷲田清一

◎語りなおしと、その〈伴走者〉(鷲田清一『語りきれないこと 危機と傷みの哲学 』から)

〇鷲田清一『語りきれないこと』から 東北大震災以後に書かれた、鷲田清一『語りきれないこと』を読み返した。 「まえがき」で鷲田は次のように述べている。 〈被災地の人たちのからだの奥で疹いたままのこの傷、この苦痛の経験が、やがて納得のゆく言葉でか…

◎ある制約から可能性をひろげる(館野泉さんに触れながら)

※館野泉さんに触れながら、「制約」(条件や枠をもうけて、自由な活動や物事の成立をおさえつけること)と、それにとらわれることなく、自由に可能性を広げていく見方を考える。 老化・疾病・障害の見方にも大いに関係していると思う。 〇 館野泉さんのこと …

◎先行世代から後続世代へ(内田樹『ローカリズム宣言』から)

※ここのところ身近な人が亡くなり、一方新たないのちが誕生している。そこで、改めて自分の立つ位置を考えてみる。 最近ともすれば自己の衰えに目がいきがちになるが、そのことよりも、人生リレーの一員として、世話を受けてきた先行世代からバトンを受け、…

◎人の「弱さ」に焦点をあてることで見えるもの

〇人は根本的に”弱い“生き物 NHKスペシャル「人類誕生」第 1 集「こうしてヒトが生まれた」は、次のように構成されていた。 霊長類から人類誕生の過程で、二足歩行‐道具の発明‐脳の発達、と身体の進化に相伴って、最近の研究成果から、家族の形成・一夫一妻…

◎身軽に生きるとは、必要なものを絞り込む(価値の遠近法)

〇断捨離と価値の遠近法 ​ 福祉関係だけでなく、高齢化社会や老いの暮らし方に関する会合で、断捨離のことがよくテーマになる。 特に高齢化した親と同居している人や地元に長い間根付いている人の跡継ぎなどには、使わないもの、使えないものがあふれていて…

◎前傾姿勢の社会から離れて

〇振り返ってみることを大事に ​ 福祉の現場で様々な高齢者に接し、父母や義父母を見送り、自分も超高齢化社会の渦中に入りかけている。 以前、母についての随筆「今ここにある幸せ」に次のことを書いた。 【老齢や死は人としての自然現象であるにも拘わらず…