日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

◎退院後7ヶ月目の脊髄小脳変性症の診察を受ける。

〇孫を伴って散歩するとき、ジジババに両手をもってもらうのがお気に入りで、両手を差し出してくる。そこでぶら下がったり、引っ張たりして動きも激しくなってきた。
 それについていくのがだんだん難しくなり、手を放してしまう。孫はアレッという表情になるが、妻は心得ているので、その場は簡単に収まる。

 

 孫を見ていくのは面白いし、座って対応することはできるので無理がないところで関っていくが、その動きにはついていけなくなってきた。

 

 普段、症状のことを考えて、出来る限り歩いたり動いたりするが、疲れが大きくなっている。散歩、用事などはほとんど妻を伴っているが、自転車、自動車に対する緊張が増してきている。

 

 身体や状況は、老化・疾病・事故などによって次第に変化していく。いずれのときも、刻々と変わりながら生きている状況との平衡状態を保とうとする働きをしているのであり、それが生命活動である。

 今後妻や孫との関係性の中でどのような関わりができるのだろうか。

 

 今日は定期的な検査で、いつものように、この症状や小脳萎縮に関わる検査方式があり、15分ほど手の動き、各種の立姿、歩行動作を確認し、主治医の見立てでは、症状はあまり変わっていないという。そして、それ用の薬を3が月分調達してもらう。

 

 元来薬に関してはマイナス的感情が強く、ほとんど使わないが、この症状に効果があるとされていて、主治医のすすめで服薬している。

 その効果はそれほど期待しているわけではないし、効くということは逆に体の持つ自然治癒力に対するデメリットがあると思うが、それ以上考えるだけのものがないこともあり、一応主治医に信を置いている。

 

 それにしても、特定医療費(指定難病)受給者なので、経費はあまりかからないようになっているのは有難い。おそらく1日2回で千円近くの薬価3か月分と診療代合わせて2500円で済んでいる。

 

※付記
 最近、友人がすい臓がん手術後4年過ぎて身体中に転移してるらしく、抗がん剤の点滴治療をやる予定というFacebookの記事があった。何人かが励ましも含めて、それぞれの見解を述べていた。
 その場合、一人ひとり感性、考え方、身体の状態も違うし、家族や環境も違う、人生観も違えば、医療との付合い方も違う。延命治療や「終い方」に対する唯一の答えなどあるはずがない。
 自分がやれることは、今思うことを、どこまでも参考意見としてだすだけ。時には、煩わしい、失礼なことになる場合もあることに気をおきながら。
 ただ、友人にとってすこしでも良くなることを願うのみである。

 

参照:最新の関心をいだいた大阪大学の記事「ResOU」から。
 http://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2020/20200527_1
 おそらく私の症状と近いのではと思っている。このような研究をしている人がいるのだろ。それを知ったからどうなるものではないし、実用化にはかなりの時間が必要だが、読んでいておもしろかった。

〈「研究成果のポイント」
・アミノ酸の一つであるL-アルギニンが神経難病であるポリグルタミン病の治療薬候補になることを発見しました。
2020年5月27日大阪大学:・L-アルギニンがポリグルタミンタンパク質の構造を安定化して凝集を抑制し、ポリグルタミン病モデル動物の運動症状や神経変性を改善することを見出しました。
・家族性脊髄小脳変性症を含むポリグルタミン病の新たな治療法開発へ向けて、医師主導治験を実施する予定です。

「本研究成果が社会に与える影響(本研究成果の意義)」
 L-アルギニンは生体内に存在するアミノ酸の一種であり、血液脳関門を透過して脳内に取り込まれることが知られており、今回の研究でも、L-アルギニンがマウスの脳内に移行することを確認しています。またL-アルギニンは本邦において医薬品として既に承認されており、先天性尿素サイクル異常症やミトコンドリア脳筋症の患者さんへの投与実績から人体への安全性が確認されています。したがって、L-アルギニンはポリグルタミンタンパク質の構造安定化作用を通じてポリグルタミン病におけるタンパク質の凝集を抑制する分子標的治療薬として、すみやかな臨床応用が期待されます。本研究成果により、これまで治療法の乏しかったポリグルタミン病に対して、L-アルギニンが、疾患の進行を緩和しうる治療薬として有効であることが期待されます。今後、本研究グループでは、本邦において患者数の多いポリグルタミン病である脊髄小脳失調症6型を対象に、L-アルギニンの安全性と有効性を調べるための医師主導治験(第II相試験)を計画しています。この医師主導治験は、新潟大学脳研究所・小野寺理教授を中心として、新潟大学・大阪大学・国立精神・神経医療研究センター・東京医科歯科大学での実施を予定しています。
「特記事項」
 本研究成果は、2020年5月22日(金)に英国科学誌「Brain」(オンライン)に掲載されました。【タイトル】“Arginine is a disease modifier for polyQ disease models that stabilizes〉