日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

◎「照一隅」(中村哲)

〇中村哲さんが、講演などで繰り返し伝えてきたことばに「照一隅」がある。 自身が置かれた場所で一つのことに最善を尽くす、という意味になるのか。天台宗の開祖・最澄の『山家学生式』で使われている言葉らしい。 2003年の若い医学生対象の講演『病気はあ…

◎「花を愛し、詩を吟じる(中村哲)

〇概して現象にあらわれた言葉や行動に目が行きがちになりますが、そのもとにある考え方やいのちの息吹、そこからかもしだされる態度をみていきたいと思っています。 中村哲さんはその言動がよく取り上げられますが、そのもとにあるものに惹かれています。 …

◎「100の診療所より1本の用水路を」(中村哲)

〇入院中妻をとおして、親しくしている福島の友人からの報告を聞いた。 10月の19号台風により、浸水被害、泥水による家・家具などの惨状、壊れた建物など惨憺たる状況があちこちにあり、後片付けも遅々として進まず、日々いたたまらないそうである。聞いてい…

◎樹々に過去・現在・未来をみる。

〇西本願寺の銀杏を見に行く。 西本願寺の御影堂門前の銀杏の木は、横に枝を広げるという特異な銀杏で、地上2、3メートルのところから水平方向や斜め上に向かって縦横に枝を張り巡らせる様子から逆さ銀杏と呼ばれている。 今年四月に訪れたときの枝ぶりから…

◎孫の成長記録(1歳1ヶ月)直立二足歩行がはじまる

〇いま孫は伝え歩きが上手になってきて、つかまらずに歩きはじめるようになる。最初は2歩で今は7~8歩ぐらいまでになる。まだハイハイ・這え歩きが優先だが。この辺りは個人差があるのだろう。 頭からひっくり返るのではないかと気にかかるが、お尻からドス…

◎『いっちゃんはビリビリマン』(「高次脳機能障がい」なオットと私の日々)を読んで。

〇「はじめに」は次の言葉から始まります。 〈ビリビリマン-------、それは六三歳になる夫の呼び名。 夫の記憶は継続しないので、一週間限定で私がつけたニックネームです。 なぜビリビリマンか? それは壁のクロスをビリビリに破ったから-------。〉 本書は…

◎それならそうと、病とつき合う

〇それまでのある程度推測はしていたが、よくわからない身体状況から、病名が脊髄小脳変性症とはっきりしたことで、それならそうと、それとつき合っていくことだなと心構えができるような気がする。妻が平然と受けとめているように見えるのも心強い。 入院中…

◎脊髄小脳変性症と診断される

〇一昨日退院する、その経過。 数年前から歩行が不安定になり始め、2年程前から歩行時のバランスがとりづらく立ち眩みが起こるようになり、加えてろれつのまわりづらさなども目立つようになった。 2ヶ月程前からますます酷くなり病院で検査を受け小脳萎縮が…

◎入院に至るまでの経過

〇(10月8日):小脳に異変あり。 このところさまざまな身体についての検査が続いている。 歩行に関する足腰や脳、特定検診で要検査となった部位などの検査である。 2、3か月前から歩行が不安定になりはじめ、日に日にひどくなってきたこともあり、地元の外…

◎孫の成長記録・満一歳の誕生日を迎えて

〇10月19日:孫が生まれて1年になる。 10か月過ぎたころから、つかまり立ちするようになり、今は壁など何かを使って伝え歩きするようになった。まだまだ足元は不安定で、尻もちをつきながらまた立ち始める。 足元が覚束ない最近のわたしと重なってくる。 …

◎孫の成長記録(10か月)「安全感の環」の中で育つ孫

〇孫の育ちの観察から、人が育つとは何だろう、心(脳)はどのように発達していくのだろう、社会性を身につけるのはどのようなことなのだろう、などいろいろ考えるのは面白い。 9か月を過ぎて、ある程度周りの状況をつかめるようになって、快・不快による原始…

◎孫の成長記録(9か月)「わがまま」な人から「協力」し合うようになるとは

◎孫の育ちから思う(8~9か月) 8か月過ぎの孫を見ていると、生後混沌とした状態から視力もはっきりしてきたのか、特に母親だけでなく、人の顔をまじまじと見つめるようになった。おそらくそれに伴って知力がつき、心のありようも少しずつ豊かになってきたよ…

◎孫の成長記録(8か月)子育てがしやすい社会へ

〇孫の育ちから思う(8か月) 8か月を過ぎた孫を見ていると、いろいろと思うことがあり面白い。 ハイハイをするようになり、言葉にはならないが、呼びかけなのか喜びなのか大きな声を出しつつ、情緒豊かに動きも活発になってきた。意志・意欲もつよく出てき…

◎鶴見俊輔「言葉のお守り的使用法」から

〇鶴見俊輔は自らも含めて立ち上げた雑誌『思想の科学』の活動目的は、「第一に敗戦の意味をよく考え、そこから今後も教えを受け取る」こととし、「大衆は何故、太平洋戦争へと突き進んでいったのか?」を問い始める。その理由の一つとして、「言葉による扇動…

◎手づくりの定義へ(『定義集(ちくま哲学の森 別巻)』から)

〇手づくりの定義へ 日ごろ思うこと感じることを、話したり書いたりしている。その当たり前と思っている見解について、振り返り調べて見直ししていくことも大切にしたい。 『定義集(ちくま哲学の森 別巻)』(鶴見俊輔・安野光雅・森毅・井上ひさし・池内紀…