日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

◎孫の成長記録(姉4歳6か月、弟2歳8ヶ月、妹10ヶ月)

○ひとの親指と「精密把握」

赤ん坊・心和は親指と人差し指でゴムロープなど「つまむ」ことができるようになる。

 

脳研究者の池谷裕二によると、これは専門用語で「精密把握」と呼ぶという。

これまでは全部の指と手のひら使って握る「握力把握」しかできなかった。「握る」ことはサルなどの動物もできるらしいが、親指と人差し指を対向させて「つまむ」という動作は、ほぼヒトにしかできないそうだ。

その秘訣は人間特有の手の骨格にあるそうだ。

 

人は「精密把握」ができるようになったので、器用に道具を作ることができるようになり、人類がここまで進化して高度な技術を発達させた秘訣の1つは「精密把握」つまり独特の親指だという。

 

いろいろ調べると、「精密把握」は脳の働きと連動していて、手指を使うことで脳全体を大きく刺激することになり、賢い脳を育てることにつながるらしい。

さらに、ロボット工学や義手の研究につながる。「握る」はある意味反射的でもあるし「つまむ」は高度な技術なのだろう。

 

〇日々の記録から

4/2:このところ娘が二人の孫の夕方の風呂・食事の間、心和を預かり、頃合いをみて妻が娘宅に戻すと、入れ替わるように孫二人が来る。

遅いのですぐ帰るように、お土産におぐらやま農場のリンゴを持たす。

二人ともわが家は果物の宝庫と思っているふしがあり、年間に送られてくる果物の半分は孫用になる。

 

4/12:心和はしきりに手と口を使っていろいろな動作をする。なんでもやたらと口で噛んだり、なめたりする。

ばい菌やウイルスなどにある程度耐性をつけることも必要なので神経質にはならないが、掃除機、スリッパなどに関心を示すので気を付けている。

 

4/21:娘の背中のおできを切り取ってもらい、手術そのものはたいしたことはなかったらしいが、しばらく三人の孫の風呂入れをわが家で妻がすることになった。

この日は風呂入れ後、ゴムロープを娘と私で廻して縄跳びをした。室内なので階下のことも多少気になった。お姉ちゃんはそういうことは全く気にならないで思いっきりドタバタと何回か飛ぶ。

4~5回ほど飛べたが、弟はすぐに引っ掛かり飛ぶことはできない。風呂入れを含めて1.5時間ぐらいだが賑やかだった。

 

4/24:三人の孫の風呂入れを妻がしている。

午後遅く心和を預かり、その間に娘が保育園に二人の孫を迎えにいく。大体夕方5時頃孫はわが家に参上し、途端に賑やかになる。

おやつを催促したり、心和とかまっているのか遊んでいたりする。

その後妻と風呂に入る。娘は着替えを用意し、孫が風呂から上がると、弟の服を着せたり、お姉ちゃんの髪にドライヤーをかけたりする。その合間に二人の孫はしきりに心和の相手をする。心和もまんざらでもなさそうだ。

その後、縄跳びをしたり遊んだりして帰る。ほとんど妻が対応しているが、帰ったあとはやれやれである。

 

4/26:心和は、ときおり妻の頬を引っ張る。力も出てきたので痛いそうである。

風呂入れで三人の孫がそろうので、いろいろ分かることがある。

なんと弟が心和の頬を引っ張って遊んでいる。それをまねたのだろう。このようにお兄ちゃんがしていることの面白そうなことを試しているのかもしれない。

 

弟は鼻水のダラダラが目立つので、思い切り鼻をかむように仕向けるがそうしない。強く鼻をかんだら、おやつパイナップルをあげるというと、今度は力いっぱいに鼻をかむ。今は食べ物には目がない状態で、わが家に来るといつも食べるものを催促する。

 

4/27:心和はハイハイの行動範囲も広がりしきりにつかまり立をする。もうすぐ立ち始めるだろう。

離乳食もおいしそうに食べ、私たちの昼食デザートに送られてきた甘夏をしげしげと眺めるので、試しにひと房あげたらそれも時間をかけ食べてしまった。たいがい苦いものや酸っぱいものはすぐに吐き出すと思いきや、少し驚いた。

それと関心の向くものに手を出し、触らない方がいいものは取り上げると、すぐに泣くなど抗議の声をあげる。だが代りに何か上げるとすぐに切り替わる。これは連れてきた娘がいなくなると同じような状態になるが、すぐに切り替わる。

上の孫たち、特に弟の場合は第1次反抗のイヤイヤ期なのか、かなりしつこくなるのと大違いである。それでも割合すぐに収まるが。

 

4/28:娘一家は長期連休の間、旦那の実家東京に行く。朝二人の孫が挨拶に来た。

※池谷裕二『パパは脳研究者 ~子どもを育てる脳科学~』(クレヨンハウス、2017)