▼お姉ちゃんのこと
お姉ちゃんは3歳になり、爺という気楽な立場で、その成長を目の当たりに見るのは楽しい。
弟が出来たことで、2年ほどの違いがあるお姉ちゃんの育ちを振り返ることもあり、乳児の育ちを複合的に見ることができ、面白い。
お姉ちゃんの成長を見ていると、あまり覚えてないが、自分もこのような時期を経て育てられてきたことに、いろいろな思いが湧いてくる。
また私の衰えと双曲線のごとくに逞しくなっていることも、自分のことはともかく、生まれ育って、成長し大人になって、やがて老いてゆくという人生のありようも思えて、ある種の感慨がある。
いろいろな知恵もついてきて、ときおり自己主張というか反抗もすさまじく、娘の声も大きくなるが、それにともなって駄々をこねる勢いもすごくなる。
ただ、基本的な信頼感のような関係は形成されているのか、直に収まる。後を引くことはないようだ。
大分前からアンパンマン・リズムえほんで遊ぶのを気にいっている。
このリズムえほんは、タイコ、ラッパ、トライアングル、タンバリンを持ったキャラクターの形に抜かれたボタンを押すと、それぞれの楽器の音が出る。アンパンマンの歌が4曲、童謡が2曲の計6曲がカラオケ機能と歌声付き機能を選べる。
最近は、音楽に合わせて気持ちよさそうに踊っている。結構はげしく踊っていて見ていて感心する。
誕生日プレゼントに娘と相談しパジャマを贈ることにし、電車で本人を連れて妻と娘で買物に行く。
こういう時は、お出かけモードになるらしく、家にいるときより、素直でおとなしくしているという。
▼弟のこと
ハイハイをしながら動き廻る範囲も広がり、お姉ちゃんに伴い、一階下の部屋から階段をハイハイしながら上がりわが家まで来ることもある。
ここにきてつかまり立ちするようになり、まだまだ足元は不安定で、すぐにお尻からドスンと転ぶようになる。
遊び感覚でやっているが、そうこうするうちに重心をうまくとっていくのだろう。
身近にあるさまざまなものに興味を持ち、触ったりいじったりする。テーブルにつかまりながら、上にのっているものをとろうとする。
自らなんとかしようとする意欲が高まってきているのを感じる。
また、音の出るものに惹かれるようで、お姉ちゃんと音に合わせて体を動かしたり、手をたたいたりする。
自らの「からだ」をつかって、いろいろなことを身につけていくのだろう。
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▼児童精神科医の佐々木正美氏は次のことを述べている。
〈子どもは、かわいがられるからいい子になります。かわいい子だから、かわいがるのではないのです。〉(『子育てのきほん』など)
「かわいがられるからいい子になる」というのは双方的であり、「かわいい子だから、かわいがる」は一方的な思い方のような気がする。
佐々木氏のよく取り上げる言葉として発達心理学者で精神分析家・エリクソンの「よい人間関係というのは、どんな人との関係であっても、相手に与えているものと相手から与えられているものを、双方が等しい価値と認識し、実感しあっている」を紹介している。
ひとを幸せにするもっとも大事なことは良質な豊かな人間関係であり、乳幼児期の重要課題として基本的信頼感の構築をあげている。
人間関係でよく思うのは、こちらが好ましい人だと思うと相手もそのように思っていることが多いし、嫌いなあるいはヘンな人だと思っているときは、相手もそのように思っていることが多いのではないか。
質の良い人間関係は双方的なこころの交流だと思っている。