日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

◎入院に至るまでの経過

〇(10月8日):小脳に異変あり。 このところさまざまな身体についての検査が続いている。 歩行に関する足腰や脳、特定検診で要検査となった部位などの検査である。 2、3か月前から歩行が不安定になりはじめ、日に日にひどくなってきたこともあり、地元の外…

◎孫の成長記録・満一歳の誕生日を迎えて

〇10月19日:孫が生まれて1年になる。 10か月過ぎたころから、つかまり立ちするようになり、今は壁など何かを使って伝え歩きするようになった。まだまだ足元は不安定で、尻もちをつきながらまた立ち始める。 足元が覚束ない最近のわたしと重なってくる。 …

◎孫の成長記録(10か月)「安全感の環」の中で育つ孫

〇孫の育ちの観察から、人が育つとは何だろう、心(脳)はどのように発達していくのだろう、社会性を身につけるのはどのようなことなのだろう、などいろいろ考えるのは面白い。 9か月を過ぎて、ある程度周りの状況をつかめるようになって、快・不快による原始…

◎孫の成長記録(9か月)「わがまま」な人から「協力」し合うようになるとは

◎孫の育ちから思う(8~9か月) 8か月過ぎの孫を見ていると、生後混沌とした状態から視力もはっきりしてきたのか、特に母親だけでなく、人の顔をまじまじと見つめるようになった。おそらくそれに伴って知力がつき、心のありようも少しずつ豊かになってきたよ…

◎孫の成長記録(8か月)子育てがしやすい社会へ

〇孫の育ちから思う(8か月) 8か月を過ぎた孫を見ていると、いろいろと思うことがあり面白い。 ハイハイをするようになり、言葉にはならないが、呼びかけなのか喜びなのか大きな声を出しつつ、情緒豊かに動きも活発になってきた。意志・意欲もつよく出てき…

◎鶴見俊輔「言葉のお守り的使用法」から

〇鶴見俊輔は自らも含めて立ち上げた雑誌『思想の科学』の活動目的は、「第一に敗戦の意味をよく考え、そこから今後も教えを受け取る」こととし、「大衆は何故、太平洋戦争へと突き進んでいったのか?」を問い始める。その理由の一つとして、「言葉による扇動…

◎手づくりの定義へ(『定義集(ちくま哲学の森 別巻)』から)

〇手づくりの定義へ 日ごろ思うこと感じることを、話したり書いたりしている。その当たり前と思っている見解について、振り返り調べて見直ししていくことも大切にしたい。 『定義集(ちくま哲学の森 別巻)』(鶴見俊輔・安野光雅・森毅・井上ひさし・池内紀…

◎色の背後に一すじの道が通っている(志村ふくみ、大岡信の言葉から)

〇色の背後に一すじの道が通っている 桜についての印象的な話に、染織家志村ふくみさんの話がある。 きれいな淡い、匂い立つような桜色を染め出すために、桜の花びらや蕾ではなくて、花の咲く前の黒くゴツゴツした樹皮や枝を使うのだという話。 ・「花びらか…

◎「昭和」「平成」から「令和」へ

〇新年号が「令和」となり、5月から実施されることになる。 『万葉集』巻五、梅花の歌三十二首の序文「時、初春の令月(れいげつ)にして、氣淑(よ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫(かをら)す」が典拠だ…

◎遠回りすることが一番近道(イチロー選手引退に思うこと)

〇イチロー選手の魅力は、その実績以上に、常に理想を追求し、努力を積み上げていく“生き様”、最後まで挑戦を続ける求道者としての姿だ。 「過去も未来も、いまここにしかない」と現在自分のやれることを精一杯生ききり、その積み重ねが明日につながるとのス…

◎過去も未来も、いまここにしかない。(柳美里著『町の形見』を読んで)

〇この作品をとおして、東日本大震災のような社会的影響に及ぶものから個人的なものまで、ある体験を語ることや、戯曲・小説など文芸作品として表現することについて考えた。 上演を見ていないが、巻末の解説文を参照しつつ舞台を想定しながら読んでいた。 …

◎松村 亜里 (著)『世界に通用する子どもの育て方 』を読んで

〇本書を読んで次のことを思った。 ・「何をすると子どもがダメになるのか」ではなく、「どのような関わり方が子どもの幸せにつながるのか」という視点から、科学的に探究を重ねてきた。 ・質の良い親子関係、人間関係が子どもの健康、幸福度を高める。 ・「…

◎マルクスの自分中心的な人間観から「地動説」的な人間観への転換(内田樹『寝ながら学べる構造主義』から)②

わたしは知識としては地動説を知っているが、感覚としては,日が昇り・日が沈むといい、自然界の動きなどについてはほとんど、自己を軸にした天動説な見方をしていることが多い。これはものの見方、思考方式そのものが、少なからず天動説的な感覚を持って暮…

◎私たちは「偏見の時代」を生きている(内田樹『寝ながら学べる構造主義』から)①

〇本書のまえがきで次のように述べる。 〈知性がみずからに科すいちばん大切な仕事は、実は「答えを出すこと」ではなく、「重要な問いの下にアンダーラインを引くこと」なのです。 知的探求は(それが本質的なものであろうとするならば)、つねに「私は何を…

◎「比べる」について思うこと(「ありのままを見る」ことの模索

※安義寺住職の吉水氏のFacebookの記事に示唆されることがあり、その投稿記事の「『比べる』について」を私の関心にてらして考えてみる。 〇吉水氏が述べる「比べる」は「慢」mānaマーナのことで、アビダンマの「不善心所」14項目の「欲」のグループにあり、…