日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

◎鶴見俊輔「言葉のお守り的使用法」から

〇鶴見俊輔は自らも含めて立ち上げた雑誌『思想の科学』の活動目的は、「第一に敗戦の意味をよく考え、そこから今後も教えを受け取る」こととし、「大衆は何故、太平洋戦争へと突き進んでいったのか?」を問い始める。その理由の一つとして、「言葉による扇動…

◎手づくりの定義へ(『定義集(ちくま哲学の森 別巻)』から)

〇手づくりの定義へ 日ごろ思うこと感じることを、話したり書いたりしている。その当たり前と思っている見解について、振り返り調べて見直ししていくことも大切にしたい。 『定義集(ちくま哲学の森 別巻)』(鶴見俊輔・安野光雅・森毅・井上ひさし・池内紀…

◎色の背後に一すじの道が通っている(志村ふくみ、大岡信の言葉から)

〇色の背後に一すじの道が通っている 桜についての印象的な話に、染織家志村ふくみさんの話がある。 きれいな淡い、匂い立つような桜色を染め出すために、桜の花びらや蕾ではなくて、花の咲く前の黒くゴツゴツした樹皮や枝を使うのだという話。 ・「花びらか…

◎「昭和」「平成」から「令和」へ

〇新年号が「令和」となり、5月から実施されることになる。 『万葉集』巻五、梅花の歌三十二首の序文「時、初春の令月(れいげつ)にして、氣淑(よ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫(かをら)す」が典拠だ…

◎遠回りすることが一番近道(イチロー選手引退に思うこと)

〇イチロー選手の魅力は、その実績以上に、常に理想を追求し、努力を積み上げていく“生き様”、最後まで挑戦を続ける求道者としての姿だ。 「過去も未来も、いまここにしかない」と現在自分のやれることを精一杯生ききり、その積み重ねが明日につながるとのス…