子どもが育つ環境については、物的環境、人的環境、空間的環境、時間的環境とそれぞれあるでしょうが、わたしがもっとも大事にしていきたいのは、人的環境ではないかと考えている。
子どもを母親だけに任せるのではなく、複数の人々の手と心や仲間とともに育つ育てることの重要性で、「子育ての社会化」、「子どもの生活と体験を豊かにする社会的な仕組み」を作っていくことが何よりも大きいのではないかと思う。
現代の子育てに関わる様々な問題が、「家庭」に原因があるという論が根強くある。この場合「家庭」とは、ほとんどの場合「母親」になる。現代の日本社会では、子育ての責任の多くが「親」に負わされている。どんなに意欲的な親であろうと、人には限界があり、まして現在の日本社会のように核家族化している状況では、あまりにも酷な見方だ。
また、子どもが健やかに成長していくためには、できるだけ多くの個性の違う人が関わっていくことが必要と考えている。
中には、自分から見て。よく分からない人もいるかと思うが、そのような人とも一緒に過ごすことができればいいと思う。
世の中には色々な人がいて、考え方が違ってもみんな仲間なのだということが分かるきっかけになる可能性がある。
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放課後等デイサービス「アイリス」には、小学年から高学年の仲間がいる。
いろいろな個性を持っている子の集まりだ。
あまり言われていないが、このことはかなり大きいと思っている。
一般の学校などでは、同年齢の生徒で「組」がつくられ、地域社会でも同年代同士の繋がりが多い現状ではないでしょうか。
「スポーツクラブ」など特定の目的で集まっている集団とは別に、いろいろな年代の子と仲間として活動する機会は、あまりないと思う。
日本人の識字率の高かった江戸時代の教育環境の特色として「寺子屋」がよく取り上げられる。
「寺子屋」には一般市民の様々な年代の子が通い、ときには仲間同士で切磋琢磨し合う環境であったそうだ。
明治になって様々な著名人を排出した吉田松陰の松下村塾は、寺子屋が起源だ。
わたしは、「アイリス一週間の動き」で様々な年代の子がともに活動している写真を見るのを楽しみにしている。
〇アイリス一週間の動き(2025年1月)
1/12:三島八幡神社、大国魂神社へ初詣。その後、いわき市立美術館で開催中の『小中学生版画展』へいき、カーボン紙版画体験に参加。完成した作品を台紙に貼って、記念にいただく。
帰ってから「書き初め」。1.2年生の中には初めて筆を持つ子も。高学年の子は「とめ、はね、はらい」にも気をつけて何度も練習。それぞれ満足の一枚を仕上げる。
1/19:「お誕生会」をして、「イス取りゲーム」をする。スタッフも入ってワイワイと。
1/21:土曜日の体験活動『富岡わんぱくパーク』にお邪魔。
昨年8月の夏の暑い日にも利用している。走って、飛んで、登って、回って…全身運動でめいっぱい身体を動かし、ボールプールや砂遊びは感覚統合にも。みんな大満足。
冬の寒い日にも、室内で思いきり身体を動かせるとあって、みんな大喜び。
「アイリス」では月2回、いろいろなところに行く。みんな楽しみにしている。
1/26:定期的に行っている避難訓練をする。火災の原因について動画をみながら考える。
【創作活動】は、折り方の手順をひとつずつ確かめながら作っていく。
作っているのは「節分」の壁面飾り。
困ったときは「教えて!」といい、友だちやスタッフに聞きながら作る。
このように、様々なヘルプを受けながらできることも大切なこと。
※放課後等デイサービス「アイリス」ホームページ
https://www.gurutto-iwaki.com/detail/2748/index.html