日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

2025-06-01から1ヶ月間の記事一覧

◎「しなやかな心」天野忠の詩から

○6年前診断された脊髄小脳変性症の進行は、ますますひどくなりギクシャク度は増していて、ふらつきも頻度を増している。 居宅では何とか一人で動いているが、妻の支えなしには外出もままならない状態だ。 肺機能が悪いのでコロナウイルスなどの感染症に対す…

ひとりの〈ふつう〉の人として(たまゆらの記68)

〇吉本隆明の「価値ある人間の原像」から 吉本隆明の「老いの流儀」「老いの超え方」「幸福論」など老いの渦中にある自らの体験と実感をもとにしっかりと検証し、過去の思索に適宜言及しながら、「一人の〈ふつう〉の老人」として包み隠さず思いのままに語る…

仲間とともに育つ(子育ちアイリス通信20)

〇記録されている「アイリス一週間の動き」を見ると、高学年の子が、下学年の子などに様々な影響を与えることが随所に出てくる。 「自分」とは他者と異なる自分自身を意識することから始まってくる。 「自我」が育つということは他者との関係が育っていくと…

死者生者まざりあって(たまゆらの記67)

〇身近な友人を見送ることが多く、先日旧友が亡くなった。 このところ長年交流していた同年代の友人がたて続けに亡くなり、自分も「死」を思うこともある。 考え方としては、高村光太郎の亡くなった母を追慕した短詩『夏書十題』にある「死ねば死にきり、自…

人間らしさとは何か(川田順造『人類の地平から―生きること死ぬこと』より)

『人間らしさとは何か』は、『月刊福祉』2000年~2001年に掲載されたもの。 その中の「人間の絆、人間の知恵」に次の言葉がある。 《自然の一部として生まれながら、自然を対象化する意志をもつようになった生物である人間は、科学の力でかなりの程度自然を…