日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

◎補聴器購入(たまゆらの記55)

○9月3日に3ヶ月の無料試聴を終えて補聴器を地元のH補聴器センターで購入した。

補聴器を実際つけてみて、1カ月ごとに認定補聴器技能者のY氏のアドバイスを受けながら進めてきた。

 

病状とともに、滑舌も耳の聞こえなさも嵩じてきて、聞き違えや聞き返されることが多くなり数年前から福祉関連の仕事をやめていた。テレビも字幕付きで見ている現状である。

日々の暮らしにそれほど困難を感じずにきたが、いつもお世話になっているK医療センターの耳鼻咽喉科を受診して、地元の補聴器センターで相談し3ヶ月の無料試聴をした。

 

補聴器で音を拾い、聴音の神経で脳に伝わり、脳で言葉など認識するので、脳に慣れさせるまで、人によってだが、半年ぐらいかかると言われている。

それにしても、日常の暮しでは様々な音に溢れていて、その中から取捨選択して理解するのはその人の「脳」で、聴覚のリハビリの要素があり、ある程度慣れるまで、時間がかかるのだろう。

 

無料試聴をしてみて、高価であるが、今の自分には必要だと考え、購入することにした。

その経過を記録しているので、参考まであげておく。

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3/26:脊髄小脳変性症の定期健診で、主治医の声がよく聞きとれなくて、補聴器のことを言われ、K医療センターの耳鼻咽喉科で検査をした。

最初左右の音・数字・仮名の聞こえ検査をした後の診断では、軽度の難聴があり、右耳から始めてはどうかと三宮のT補聴器センターを診断書付きで紹介した。補聴器を着けるタイミングは馴染むためにも若いうちが良いということを言われる。

 

6/7:K補聴器センター芦屋店で、OTIKON(オティコン)補聴器社のZircon2(ジルコン)Bter:「耳掛け型補聴器」を8月末まで借用した。

私は加齢による感音性難聴(難聴の約8割は感音性難聴)で、右45db・左55㏈程。30~40㏈なら軽度難聴、60㏈なら中等度難聴と言われている。

また補聴器で音を拾い、聴音神経で脳に伝わり、脳で言葉など認識するので、脳に慣れさせるという意味もある。通常4~6ヶ月かかるらしい。

 

6/8:夜に補聴器をつけて野球観戦などした。テレビの音をかなり小さくしても聞こえるが、言葉の明瞭度はあまりはっきりしない。また、球場の雰囲気が雑音のように聞こえ、肝心のアナウンサーや解説者の話がよく分からなくなる。脳がまだ対応できていないのだろう。

それといろいろな音が大きくなり、妻が台所などで使う音などもかなり大きく聞こえるので少しうるさい。ひとりで楽しむわけではないので、音を立てるなと言うわけにはいかない。

慣れもあるだろうし、補聴器によって、その雑音がどの程度気にならなくなるのか、今度認定補聴器技能者のY氏に確かめてみようと考えている。慣れてくると違ってくるかも知れないが、音があまり聞こえないことのよさをも思う。

 

6/9:「花眼」(かがん)という言葉がある。「花眼」とは中国語で「老眼」を指す言葉で、細かいところはボンヤリしているが、かえって花全体がよく見える眼という意らしい。花が美しく見えるためには、あんまり細かいところが見えるのじゃなくて、ぼんやりしていても、かえって全体が分かるという。

ものがよく見えなかったり、聞こえなくなったりするのは「老化現象」の一つではあるが、何事も細かいところまではっきりしていなくても、かえって全体がよく分かることがあるかも知れない。

補聴器をどのように生かしていくのか、8月末までに探ってみようと考えていた。

 

6/11:日常の生活では様々な音がしていて、その人に必要な音を「脳」が選択・察知しているのだろう。

 

6/13:野球観戦のとき補聴器を両耳につけてみた。音はかなり聞こえるが、肝心の話・言葉の明瞭度ははっきりしない。それと、音が両耳から入ってくるのでうるさい感じがある。まず右耳に慣れてから両耳にしようと思う。6月末か7月初め右耳に慣れたころにK補聴器センターに行こうと思っている。

なお、友人が人とじっくり話すときだけに右耳につけていたが、今のところ自分も同じように考えている。そのことを含め、音量調節等よく分からないこともあり、Y氏と相談しようと思っている。

 

6/16:補聴器を検討するときに担当者から耳鼻科で耳掃除をするように言われた。大分溜っていて前回してもらったのが半年前で、それぐらいでしてもらうといいと医師に言われる。

ネットで調べると「基本的に耳掃除は必要ありません。耳の中は手足の皮膚と同じ性質のものからできているので」「耳の奥を傷付けずにきれいにするには、耳鼻科医に診てもらうのが安心です」とある。

だが、耳掃除をしてもらってよく聞こえるようになったとは思えない。

 

6/25:脊髄小脳変性症の定期検診でK医療センターに行く時、午前9時過ぎから午後2時過ぎまで補聴器をつけて行く。町の騒音がよく聞こえ、あまりうるさいとは思わなかった。バスのアナウンスなどは補聴器をつけないでも分かるが、主治医との面談の時、いつもは曖昧のところもあるが、それはなかった。

日常の妻との会話では補聴器なしでも殆ど不便な感じはしないが、他の人と特に大事な話をするときは補聴器が必要だとも思った。

 

6/29:H補聴器センターに行きY氏と面談。音や言葉の聞き取りの検査をいろいろする。補聴器をつけた時・75%とつけない時・50%の違いがあり、着けた効果はあるのではという。面談で、まず右耳だけにして少し音を大きくする、徐々につける時間を長くする(脳に慣れさせるという聴覚のリハビリの面もある)。

耳掃除は補聴器のためにも定期的にしたほうがいいとも言われる。そして7月の末ぐらいに経過をみてもらうことになる。

 

7/10小さい頃から両目0.1の近眼で眼鏡をかけていた。2007年5月白内障の手術し、裸眼0.8でこんなにハッキリ見えるのだなと少し驚くが、その後両裸眼0.4ぐらいで、眼鏡なしで日常生活や本を読むには差し支えないようになる。それ以来眼鏡なしで生活していて、こんなにもスッキリしているのだと思っている。

それと、義母がかなり高価なものを購入したが、結局面倒で殆ど使わずにほったままにしていた。

補聴器の話が出るたび、なにか煩わしい思いがあり延び延びになっていたが、実際つけてみて、やはり補聴器を活用した方がいいように考え始めた。

 

7/19:NHK「あしたが変わるトリセツショー」で次のこと等がわかる。

聴力を守るカギは蝸牛の有毛細胞にある。補聴器は認定補聴器技能者の力を借りて必要な高さの音を必要なだけ大きくするカスタマイズが必要な機器。

補聴器で「楽に聞こえる」ことで、聞くこと以外に力を割くことができるようになり、難聴による記憶力の低下や疲れやすさの軽減にも つながるのではないかと考えられている。

 

8/2:H補聴器センター芦屋店に行く。様々な角度から調べてもらい一段上の聞こえの高さにしてもらう。また両耳につけるメリットを聞き、お試し期間に活用することにした。

日本では高価なこともあり片耳つける方は半数ぐらい。なお80歳を越えてからつける人が多いという。外国では保険がきくこともあり60歳をこえて両耳につける人が多いという。

 

8/10:一般的に正しく自分の聴力に合わせている補聴器であれば、補聴器で耳が悪くなることはなく、むしろ聞こえなくなるまで我慢をするよりは、少し聞こえにくくなっているタイミングで装着する方が 年齢的にも若く補聴器を扱う事にも馴染みやすいと言われている。

 

8/20:8月に入って両耳に補聴器をつけている。1日3~4時間程だが、徐々に慣れてきて片耳だけよりはよく聞こえる。両耳からの音の方が脳にとってより理解されやすいのだろうかとも思う。

片耳だけの購入に比べて両耳特典があり、左耳を後で購入するよりもいいのではないかと考え始めた。

 

9/3:「耳掛け型補聴器」を両耳購入した。両耳293,700円。片耳だけだと179,300円となる。検査をしたところ聞こえのよさは80%以上になったそうだ。

補聴器は音を拾い神経を通して理解するのは「脳」であり、ある程度「脳」が慣れたのだろう。聴覚リハビリの面があり、定期的に各種相談に訪れることになりそうだ。

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