▼弟のこと
好奇心旺盛で行動範囲も広がっている。
少し前までは、娘がわが家に預けるとき、素早く察して大泣きし始めるが、娘がいなくなると、すぐに泣き止み遊び始める。この切り替えの早さは微笑ましかった。
今では、我が家にすっかり馴染み、平然と娘とバイバイする。
妻に寄り添いおやつを催促したり、いくつか愛用のおもちゃがあり、そこに邁進したりする。
わが家をすっかり安心できる場ととらえているようだ。
先日、弟が熱湯をこぼし大火傷して、病院に連れて行った。
娘が食事の支度で流しの横のキッチン台に、熱湯入りのカップをおいていたところ、弟が台を持って来て、それをとろうとして腹側にこぼした。
激しい泣き声で、娘が対処し、すぐに病院に行ったのこと。幸いそれほどたいしたことにならなかったらしい。医師によると2週間もすれば全治すると言われた。
連絡を受けて、すぐに妻が娘宅に飛んでいき、お姉ちゃんをわが家につれてきて食事などさせた。
たいぶ経ってから「お母さん帰り遅いね」と繰り返し言っていて、お姉ちゃんなりに心配していたらしい。
まさかこんな高いところまで手を伸ばさないだろと思っていたようである。
だが1歳半ともなれば、水を飲みたいと思えば何とか工夫して欲求を満たそうとする。それだけの力はついている。
このようなことは自分の不注意からと思うのか、娘はだいぶ落ち込んだようである。 弟の方は翌日からは何事もなかったように平然としていたらしいが。
事故というものは何かのことで起こるとはいえ、乳幼児の子育てはつくづく大変だなと思う。
孫たちの対応はほとんど妻(ばば)がしているが、動きの鈍い私も、特に弟の安全には気をおいている。
▼お姉ちゃんのこと
いろんな言葉を後から後から覚え、結構上手にしゃべれるようになって、ちゃんと会話らしいことになってきたお姉ちゃんが、最近になって急にどもるようになったので、娘は大層心配になって医者にも連れて行き、私もいろいろ調べた。
調べて次のようなことが分かった。
・吃音(どもり)は、発達の過程で生じる特徴的な非流暢さのことを言う。言葉を覚え始めた幼児が、多語発話期(まとまりのある文章で会話できる段階)に差し掛かった際に急速に身に付ける語彙や文章の複雑さに言語処理の能力が追いつかずに発症すると考えられている。
幼いころの吃音は、障害や病というよりは発達の中で起きる自然な過程ともいえる。そのため、多く(7~9割)は成長する中で自然と回復していくそうだ。
・ある調査では、幼児・子どもの吃音(どもり)に対して、90%近くの親が「ゆっくり話しなさい」「落ち着いて」など話し方へのアドバイス、干渉を行っているようだ。
これらのアドバイスは、暗に「あなたの話し方はおかしい」とのメッセージを含み、さらに流暢に話そうとしてかえって吃音(どもり)を悪化させてしまうことになる。
・発達性吃音は一過性で起きていることもあるので、過度に心配せず、まずは子供がリラックスして話せる環境を作ってあげることが大事。どもっても途中で遮らず、子供の話を最後まで聞いてあげ、それに対しての意見や感想を自分の言葉できちんと伝えてあげる。
・だんだんひどくなっているような様子の時は子供自身が何かしらトラブルを抱えていることも考えられるので、子供を取り巻く環境について見直してみる。
だいたい以上のようなことが言われている。
保育園の係によると、同年代の子でもまだ喋れない子もいるし、よくあることなので。そんなに心配しなくてもいいと言われたようだ。
わたしの見立ては、喋りたいことが次ぎから次へと出てくるが、言語処理能力が追いつかない状態で、連声型・語音の繰り返し(「わ、わ、わたし」、「わーーたし」)など軽度ではないかと思っている。
とにかく、本人自身が負担を感じないように、ゆったりと見守っていくことが大切ではないだろうか。
私の小さい頃ことばの覚えも悪く、小学校2年生ぐらいまでしゃべることがよくできなかった。心配する人もあったらしいが、父母から気になるような様子はまったく感じられず、むしろとても可愛がられた印象が残っている。
また、同年代の子と比較するような気持ちや、正常な状態はどういうものかというような観念はなかったと思う。