〇弟が満一歳の誕生日を迎えた。ここまで育ったお祝いにプレゼントをと、その関連の売り場で、これは面白いと思いクマのぬいぐるみ大小併せて購入した。
ぬいぐるみと思ったが品名は「座り抱き枕」という。いずれにしても喜んでくれたらそれでよい。
翌日誕生日プレゼントといって、弟に見せたところよくわからないのかあまり反応はなかった。娘は大層喜び、それ以上にお姉ちゃんは興奮して、私にはないのと大泣きしてしまう。
これは弟への誕生日プレゼントで、2ヶ月後3歳なったら何か用意するからと言っても、泣き止まずに、妻が嚙んで含めるように言いながら、小さい方はお姉ちゃんにあげる。
一応それで一件落着。
この年頃の乳幼児を二人育てていくのは、ほんとに大変で、楽しみながら世話をしている娘に感心しているし、弟が無事に満一歳を迎えたことを寿ぎしたい。
〇弟について
ハイハイは激しさを増してきたが、まだ立ち歩きはできない。お姉ちゃんが一歳の時は何かにつかまりながらも立ち歩きしていたし、周りの人に話しかけもしていた。
食べることも弟は手掴みだけであるが、お姉ちゃんは子供用のフォークやスプーンを使ってたどたどしくではあるが使っていた。
一歳時の犬のぬいぐるみの誕生日・プレゼントにも、大きな声を出して喜んでいたが、弟の場合は,それほど反応はない
いろいろなことが、お姉ちゃんのときとは何かと遅れているようだ。
一人ひとり育ち具合は違うので、比較するものではないし、娘もほとんど気にしていない。ただ食べることは旺盛で、お姉ちゃんより量は多いそうだ。
私の場合は、まったく記憶にないのだが、母や叔母さんの話では、一歳どころかかなり大きくなるまで、動きは鈍く、ことばもしゃべることができなくて、ひょとして知恵遅れでないだろうかという人もいたらしい。
母は一貫して「この子は大器晩成だ」といい続けていたそうだ。
〇お姉ちゃんについて
いろいろなことは分かっていて、コミュニケーションも続き、それなりの反抗もしている。
ただ美味しいものには目がなく、グズリが激しいときは、冷蔵庫から果物やジュースを少し与えると落ち着く。
弟への誕生日プレゼントも自分の支配下に置いて、犬のぬいぐるみとともに三っつ抱えてわが家に参上する。
盆休みに、コロナ禍でしばらく途絶えていたが、大阪から日帰りで息子が来訪した。
夕食は娘一家と、ワイワイしながら食べる。じきに一歳になる孫とは初めての出会い。
もうすぐ3歳になるお姉ちゃんとは、乳児の時一度会っているが、その成長ぶりにいろいろ感じたようだった。
お姉ちゃんは、以前会ったことは覚えてなくはじめじろじろ見ていたが、そこにあったリズム絵本のトランペットの絵に、息子がスマホで実物の写真を検索し、さらに音を出してあげると大層喜び、それをきっかけに随分心安くなったようだ。
それ以後何かと働きかけるようになり、息子もそれに応じていた。
実際のところ息子は遊ばれていたようだが。
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〇わたしの幼児期にふれる。
私にとって忘れられないエピソードがある。
度々触れているので物語化しているだろう。
6歳頃まで、ことばが使えなくて、人からは知恵遅れではないかと言われていたそうだが母や叔母さんは、この子は大器晩成だと言い続けていたそうだが。
幼稚園の卒園に向けて、同期の仲間でさるかに合戦をすることになり、どの役をするのかみなでワイワイやっていたが、私の場合は、セリフがほとんどないので、「クリ」の役をすることにすぐに決まる。
さるかに合戦は「サルをこらしめるために、囲炉裏に潜んでいたクリがパチーンとはじけて、サルのお尻にぶつかる」というような場面がある。
そのクリの「パチーン」と大きな声を出すのが幼稚園の先生が用意した唯一のセリフだったと思う。
当日は緊張しながら、声を出す。
あとで母が、あの「パチーン」は「とても良かったよ」と言ってくれて、嬉しかった記憶がある。
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