日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

◎医療依存体質や薬について思うこと。

〇最近友人のすい臓がん転移に対する抗がん剤による化学療法を巡って、さまざまな見解があった。

 わたしは内服薬に関してはマイナス的感情が強くほとんど使わないが、脊髄小脳変性症にかかって、この症状に効果があるとされている薬を、信頼をおいている主治医のすすめで服薬している。

 

 また、薬に依存するよりも食生活を含め日々の生活習慣に気をおいていきたいとは思っているが、薬を拒絶するかたくなさはない。

 

 今の身体状態からも、薬を取り入れることも増えてくると思う。そこで今の段階で、医療依存体質や薬についていろいろ調べてみた。

 

〇薬や医療依存体質

 人は、だれでも本来的に体の状態を整えていく力、自然治癒力、免疫力などが備わっていて、その力を引き出す、あるいは維持することが健康を保つ大きなポイントとなる。それを阻害する要因に、健康にまつわる医療、薬、食などの思い込みの観念による場合が多い。

 

 福祉、介護関係の仕事をしてきて、当事者の服薬している薬の多さに驚かされることがある。高齢化社会に伴う医療費の多寡、それも増え続けていることが社会問題になっている。

 WHO(世界保健機構)では、必須薬剤(エッセンシャルドラッグ)をおよそ300~400品目としている。国際的に効能が認可されているのが500種類。日本で許可されているのは17,000種類で、毎年増え続けているそうである。

 

 一方、かなりの人々が医療技術や薬の開発により数多の恩恵を享受している。

 強い喘息の発作にステロイド剤を使用することで、気管支の炎症、呼吸困難から意識混濁、窒息死を防ぐことができる。

 日夜、苛酷な日常業務を担っている、医療関係者も少なからずおられる。私や身近な人のことを振り返っても、そのことは充分に感じている。

 

 なお、このコロナウイルスの状況の中で、2度難病の3か月の定期健診のため病院にいった。一度目は緊急事態宣言の中でいつもの2割弱、2度目は宣言解除されていたが3割ほどで、いつもごった返して待ち時間も長かったが、2度ともスムーズに診察出来た。これだけでは確かな判断とはならないが、おそらく、それほど必要性のある人は少なかったのではと思った。

 

 大体どんなことにもメリットとデメリットがあるが、医療技術や薬への依存体質がもたらす弊害は、生老病死の人が生きていく営みに密接に繋がっているので、自戒を込めて。負の要因についてきちんととらえておくことが必要だと思っている。

 

 特に、強迫的になっている健康志向、健康不安、コロコロ変わる健康正常値基準への寄りかかり。過剰な医療依存体質などによる、薬への安易な期待感に焦点を当ててみる。

 

〇薬の効用、マイナス面など

 薬の効用については次のような見解がある。

1、薬を使っても使わなくても、効果は変わらない。2、薬を使うことにより、ある効果をもたらす。3、薬を使うことで、酷いことになる。

 殆どの薬は1に該当し、8割から9割を占めるのではないかという人もいる。

 

 薬について、ブラセボ効果というのがある。本物の薬のように見える外見をしているが薬として効く成分は入っていない偽物の薬の事である。成分としては、ヒトに対してほとんど薬理的影響のないブドウ糖や乳糖が使われる事が多い。

思い込みによる心理的効果があり、各種試験でも3割ぐらいの効果があると言われている。人の観念の身体に及ぼす影響で面白い現象と思っている。

 

(※偽薬効果・プラセボ効果(プラシーボ効果)とは、偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられる事を言う。この改善は自覚症状に留まらず、客観的に測定可能な状態の改善として現われることもある。原病やその症状自体の改善というよりは、「薬を飲んでいる」事による精神的な安心感の方が目的となる事もあり、このような単なる安楽は通常偽薬効果には含まれないが、その区別が難しいこともある。(中略)

 偽薬効果が存在する可能性は広く知られている。特に痛みや下痢、不眠などの症状に対しては、偽薬にもかなりの効果があるとも言われており、治療法のない患者や、副作用などの問題のある患者に対して安息をもたらすために、本人や家族の同意を前提として、時に処方される事がある。(ウィキペディアより)

 

 薬は体の不調になった要因などを抑制する働きはあるが、その根本原因を治すことはない、殆どの薬は対症療法薬である。また、ある部分を抑制するということは、別の機能の阻害要因となるおそれがある。それが副作用と呼ばれている。

 

 もともと薬は人の体内にはない異物、化学化合物である。なかには毒性の強いものがあり、その効果で一時的に抑制の働きをする場合もあるが、身体の内なる環境を劣化させるだけではなく、大きなリスクをはらんでいる。

 

 例えば、抗癌剤は戦時での毒ガス(マスタードガス)から生まれたもので、WHO(世界保健機構)は、2014年5月の理事会で「抗ガン剤を用いるガン化学療法は、極めて危険性が高く、加盟国政府に全面禁止を勧告する」と決議されているが、日本では許可されている。

 

それを使って一時的には体の状態が維持できたとしても、副作用での弊害は社会問題になっている。

これについては、いろいろな見解があり、参照資料として「抗がん剤治療と副作用のすべて」を上げた。

(※抗がん剤治療を選択すべきか否かは,とても難しい判断といえます。なぜなら,その効果や副作用の程度は,個人差がとても大きいため,投与してみないと結果は医師でもわからないという面があるからです。最終的には,患者さん自身が決断しなければなりませんが,この治療はその人,一人ひとりの人生観,価値観とも,深く関わっているといえるでしょう。)

 

 また、ワクチンは弱性の病原体で病原体を制するという一つの知恵ではあるが、これについても副作用による弊害が報告されている。

 抗生物質は腸内環境の混乱の起こし、下痢や便秘の原因になったりする。

 

 抗生物質が効きにくいと言われているMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)は自然環境の中では拡がることはないらしいが、抗生物質をよく使う病院で拡散する。

 胃の検査で使われるバリウム自体の毒性が言われているが、それに伴う数分にわたる放射線の被爆を問題にしている人もいる。

 

 このような事例は様々なところから発信されているが、薬に依存してしまうような情報があふれていて、微々たる訴えになっている現状だ。

 

 薬の最たるデメリットは副作用だけでなく人の体の機能を衰えさせることにある。

 だれでも体験することがある風邪などによる発熱は、体内の免疫系がウィルスなどの活動を抑えるための起こす体調変化なので、安易に解熱剤を使うのは体の持っている回復力の妨げになりかねない。

 風邪は体内の自然治癒力がウィルスを鎮めることではじめて治るのである。

 

 投薬で効果があるのは細菌感染症。慢性疾患への投薬は中期的に悪化するだけ。感染症のように投薬で劇的に回復する疾病もあるので、何が何でも医者に行かないというのは手遅れになる可能性もある。

 

 だが、 血圧が高いとかコルステロール値が高いとか、精神的に調子悪いとかいうことに対して、投薬を続けていると、薬害によって本当に病気になってしまうことになる。

 

 長い間特定の薬を飲み続けると、もともと体の持っている賦活力が衰えてくることになる。使わないとどんどん衰えてくるのが体の特徴だが、人の生きていくのに欠かせない自然治癒力、回復力を削いでいってしまう。

 薬を飲み続けることで、阻害要因が幾何級数的に膨らむことも稀ではない。

 

 調べていくときりがないし、その信憑性を測る物差しが自分には備わっていないので、そのような局面を迎えたときは、信を置いている主治医などと相談しながら対処しようと思っている。

 

 参照資料:「抗がん剤治療と副作用のすべて」

 http://kouganzai.sub.jp/

※これは、メディカルサーポートネットの「がん治療最新情報」にある記事の抜粋です。

〈みなさんには是非このサイトを通して,抗がん剤治療とはどのようなものなのか,どのような種類があるのかを知っていただきたいと思います。

このサイトは抗がん剤のプラス面とマイナス面,両面からとらえることをコンセプトとし,さらに最新情報も加え,抗がん剤のことなら何でもわかるサイトを目指しています。

確かに抗がん剤は副作用が強く,それにより苦しむことも多いという点は事実ですが,分子標的薬の登場によって,成績もかなり向上しているのに,抗がん剤は毒薬だとして,すべて否定するのも客観的姿勢ではありません。

一方で,特に従来型の抗がん剤の場合,わずか数ヶ月の延命のために,強い副作用に苦しみ,こころまで衰弱し,さらには延命すらできたのか疑問とされるケースも多いということも事実です。

抗がん剤治療を選択すべきか否かは,とても難しい判断といえます。

なぜなら,その効果や副作用の程度は,個人差がとても大きいため,投与してみないと結果は医師でもわからないという面があるからです。

最終的には,患者さん自身が決断しなければなりませんが,この治療はその人,一人ひとりの人生観,価値観とも,深く関わっているといえるでしょう。

なぜなら,わずかの延命で,抗がん剤の副作用で苦しむくらいなら,無治療で,穏やかに過ごせた方がよいと考える人もいるでしょうし,一方で副作用があらわれ苦しんでも,抗がん剤でも何でも受け,最後まで闘いたいと思う人もいるでしょう。

結局,判断の際に大切なことは,抗がん剤の副作用の程度と,延命などの効果とQOL(生活の質)がどれだけ維持できるかというバランスにあると思います。したがって,治療の前には,主治医にこの点をよく確認することが必要です。

このサイトが少しでも患者の方やご家族の治療選択の参考になり,お役に立てることができれば幸いです。

そして,皆様がより良い方向へ向かわれることを心よりお祈り申し上げます。〉