日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

◎ウイルスについての基礎的な話(長期的視野にたって)②(長谷川真理子の研究から)

〇長谷川真理子の「ウイルスの話」(3回シリーズ)から

 インターネットの「10MTVオピニオンプレミアム」に基礎的な「ウイルスの話」(3回シリーズ)として述べている。

  要旨は次のようになる。

〈ウイルスとはいったい何なのか。彼らは生物とは異なり、自分でエネルギーを生み出して生存するわけではなく、遺伝情報のみを持ち、他の生物の機能を利用して自らを複製している。そうした「ウイルスと宿主の関係」はきわめて特異的。

 ウイルスにはDNA(二本鎖)を持っているものとRNA(一本鎖)しか持っていないものが存在する。ポイントは変異の速度で、DNAウイルスは頻繁に変異が起こらないため、その間にワクチンを開発することができる。一方、RNAだけしか持っていないウイルスは非常に速く変異する。大きな被害をもたらすのはこのウイルスで、代表的なのは2020年現在流行している新型コロナウイルスや、SARS、エボラウイルスなど。

 ウイルスの起源はどこにあるのか。起源はウイルスごとに異なるが、サル、ブタ、ニワトリ、水鳥などがウイルスに感染し、ヒトと一緒に暮らすことで接触が高まるあいだにそのウイルスが突然変異を起こし、ヒトに感染するようになるケースが多い。特に新しい種に感染するようになったウイルスは強い症状が出やすいので、適切に対処する必要がある。近年、こうしたウイルスの大流行は急速なグローバル化の帰結でもある。〉

 

 今の新型ウイルスに対する社会の現状を見ていると、一人ひとり対応していくことが基本だが、それには限界があり、社会全体、数多の人の協力が欠かせないと思う。

 このような現象はこれからも起こってくることで、グローバル化の社会では、蔓延も世界的な規模になるだろうと思う。

 ある意味、今このことに、地域社会、国、世界も試されていると感じる。

 

〇長期的視野も。

 この時期長期的な視野で物事をとらえることも大事だと思う。

 あるところで火事がおきたとき、当事者の考えることは大きく3つある。①火事の消化、延焼を止めること。②避難など援助して人に被害が及ばないこと。➂被害にあわれた人を救出、手当に誘うこと。先ず何よりも、それら三つを同時に手分けして行うこと。

 

 今度の新型コロナウイルスに関しても、医療関係者など日夜奮闘しておられる方々、いろいろな困難を抱えている方々も多くいらっしゃるだろう。現状を何とか切り抜けることに精一杯で、未来のことを考えるゆとりはあまりないと思う。

 

 まず、現状を収束させることが肝要だ。

 その上で、火事の場合は点であり、新型ウイルスの場合は社会的な面に対応する事象で、今後も同じようなことは起こってくると思うので、長期的な視野で考える人も少なからず必要と思う。

 今の時点で、私が触れた二人の方を取り上げたが、そういう視点で研究している方もいるだろう。圧倒的な現状報告的な報道が多い中、そこにも注目していきたいと考える。

 

※「10MTVオピニオンプレミアム」について。

 緊急事態宣言が出てから10MTVオピニオンプレミアムを1カ月(31日間)は完全無料なので、どんなものかインターネットで利用している。

 今のところ、信頼している長谷川真理子の「ウイルスの話」(3回シリーズ)、「知性の進化と科学技術文明の未来」(3回シリーズ)、「ヒトの進化史と現代社会」(4回シリーズ)、『サピエンス全史』(4回シリーズ)など動画およびテキストを閲覧して、語り口が丁寧で、とても面白い。

 一話10分ぐらいで、3回シリーズで30分。その分野の基本的な話だが、さまざまなことを考える糸口になる。

 どんなことでもある程度つかむのは、それなりの情報が要り、それをかなえるのにある程度適度な量かも知れない。

 専門家がその業界だけで通用する専門用語をあまり使わずに、簡潔な言葉で要点をまとめ伝えるのは、かなりの力量がいると思うが、長谷川真理子にそれを感じる。

 このサイトは100名以上の講師の一覧が掲載されているが、ほとんど業績も名前もよく知らない人が多い。何となく魅力に乏しいきらいはあるが、それでも3~4名ぐらい読んでみたいなという人があり、テーマを見て読んでみようと思っている。

 今は図書館が閉まっているので、本を借りることができないが、オンライン授業が話題になっているこの時期、このような機能も面白いので、しばらく利用してみようと思っている。 https://10mtv.jp