日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

◎共存そして人の協力から、新型コロナウイルスをみる

〇新型コロナウイルスと肺炎

 先日志村けんさんがお亡くなりになりました。近来はほとんど知らないですが、以前ドリフターズで面白かった記憶があり、昨日の追悼特別番組もお笑いに徹していて、凄いなあと思いながら見ていました。同年代でもあり寂しい感じがあります。

 

 それにしても容態を悪くされてから、あっという間の出来事に驚いています。肺炎の体験があり、それが一つの要因だろうかと思います。

 

 このウイルスは、肺(肺胞)への親和性が高く、肺に感染しやすいと言われています。私は50歳頃、肺気腫で1か月ほど入院し、その後の肺活量検査でもかなり数値が低く、肺機能が極度に弱いので、感染症のことは気になっています。

 

 感染しても80%は症状が出ないか軽くすむと言われていますが、残りの20%に入るのは80%以上の確率と思っています。

 

 でも心配してもしょうがないし、個人的にやれることとして、衛生管理、健康管理と免疫力を高めておくことに気をおいています。

 最低限誰かに移さないようには願っています。

  

 私にとって気がかりなのは、医療施設、介護施設のスタッフ・関係者の方々、日々のご苦労は並々ならぬものがあるでしょう。

 世界の状況を見ていると、国内の医療現場が危機的な状況になることが怖いです。そのような状況になったとき、真っ先に抵抗力弱者が困ることになります。

 

〇今、新型コロナウイルスについて思うこと

 新型コロナウイルスについて、個人としては健康管理と免疫力・抵抗力を高めていくことが大事であるが、社会としては叡智を集めて、協力し合あうことが肝要だと思います。 

 それぞれさまざまな見解があるし、いろいろ批判はしたらいいと思うが、この状況を乗り切っていくのは、協力し合って、誰もがそこそこ安心して暮らせる社会へといざなっていくことが最重要だと考えています。 

 人類進化の過程で、直立二足歩行、道具の発明・使用、脳の発達など身体の進化とともに、家族の形成、仲間と協力する集団・共同作業、心の進化・共感力、分配・交換、など過酷な自然条件の中で生き延びてきた大きな要因であるとする見方が強まっています。

 その中で、協力と共感が大きなキーワードになったと思っています。

  また、人間がこの地球上で生存してきたのは、数多の災害や疾病とつねに共存してきたことが大きな要因として挙げられます。

 それを成し遂げた人々の叡智、そして協力と共感、さらに亡くなられた数多の人たちの上に成り立っているのと思っています。

  このような社会情勢のとき、ことさら不安をあおるような情報に惑わされないことが大事だと思います。

 総じて、一人ひとりの心の持ち方の総体が、ものごとをどのような方向に進めるかにかなり影響を及ぼすのではないでしょうか。

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参照:連載「福岡伸一の新・生命探検」『AERA dot』(2020.2.6)(2020.2.20)から一部抜粋。

※メディアに現れる生物科学用語を生物学者の福岡伸一が毎回一つ取り上げ、その意味や背景を解説していく。最近は新型コロナウイルス関連に触れていて参考になる。

 

【感染拡大する“新型コロナ” 福岡伸一が語る「ウイルスの基本的な生物学」】

 またウイルス自体は宿主にとって異物タンパク質なので、これまた免疫システムの警戒網にひっかかり、抗体による攻撃やリンパ細胞による捕食によって退治される。これが速やかに進行すると、宿主の健康には特別な症状はでない。出たとしても軽症で終わる。なので、ウイルス対策の一丁目一番地は、自分自身の免疫システムの保全ということになる。

 逆に免疫システムが弱っていたり、その調整がうまくいかなかったりすると、重症化する危険性がある。もともと何らかの疾患があったり、高齢者にリスクがあったりするのはそのためだ。

 免疫システムの大敵はストレスである。ストレス時に分泌されるステロイドホルモンは身体を緊張させ、戦いや逃走に備えるが、逆にその際、免疫系は抑制されてしまうのである。

 

【感染拡大する新型コロナウイルス 福岡伸一「PCR法が鋭敏すぎて生まれる問題」】

 問題は、リアルタイムPCR法が鋭敏すぎることだ。

 ほんのわずかでもウイルスゲノムがあれば(理論的には一滴の鼻水サンプルの中に一個のウイルスがいれば)、それを陽性として検出しまう。なので、ある集団に対して(症状にかかわらず)網羅的に検査をすれば必ずやかなりの程度の陽性者が発見されることになる。しかし風邪の症状が出るのは、個人個人の免疫系とウイルス増殖とのせめぎあいのバランスによる。陽性でも、全く無症状の人、ウイルスを拡散する危険がほとんどない人も多数存在するだろう。ある意味で、我々ヒトは多数のウイルス、細菌とともに共存して生きている。

「木を見て森を見ず」のたとえではないが、検査でウイルスだけを追って人を見ないと、いたずらに社会不安を煽ったり、差別や分断のレッテル貼りにつながったりしてしまうおそれがある。 

 https://dot.asahi.com/aera/2020031800103.html