〇孫が生まれてから1年3か月になる。歩くことをはじめ、さまざまなことに活発になってきた。その成長を見ていると、ひとりの人が生きていくことに、いろいろな思いが湧いてくる。
1歳を過ぎたころから、伝え歩きがはじまり、今はほとんど歩き回っている。まだまだ危なっかしいところがあるが、日に日にしっかりしてきた。
この辺は、赤ん坊が成長する上り坂と比例したように老人が下り坂を降りていくと言われるが、まさに私の足の状態と双曲線をなしているような気がする。
また、転ぶときもあり、何かにぶつかると泣くときもあるが、「痛いの飛んでいけ」と言いながら頭をなでなですると、すぐに泣き止むことが多い。
食欲が旺盛で、幼児用のスプーンやフォークも扱えるが、すぐに手づかまりになることが多い。物足りないと催促の大きな声を上げるが、しばらくすると収まり、次のことに邁進していく。
わが家には絵本以外は特別な玩具はなく、そこらへんにあるオムツ、スリッパなど、何でも遊び道具にしていくのは見ていて面白い。
未来や過去のことをほとんど考えず、一生懸命に今を生きているようだ。
下條信輔「まなざしの誕生 赤ちゃん学革命」の中で、赤ちゃんを「好奇心のかたまり」「冒険家」「発見をする生き物」「応答する生き物」として見ることを提唱する。
そして、赤ちゃんを精神的にひとりの人格として認めて付き合うことが大事だと言う。なぜなら、赤ちゃんは「『心をもつ者』として扱われることによって、またそのことだけによって、心は発生し成長する」と述べる。
この書については、別の項で扱う。