日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

読書ノート

◎自己とは何か(多田 富雄『多田富雄コレクション1』から)

※『多田富雄コレクション1、1免疫という視座―「自己」と「非自己」をめぐって』を学びほぐしながら読む。 ・「免疫とは何か」 人類は、生存を脅かす伝染病の流行に何度も曝させながらも、何万年もの歴史を生き延びてきた。それは私たちの体に、病原微生物…

◎カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』を読んで

〇長くは生きられない若者たちの“生”を描く 『わたしを離さないで』の舞台は、へールシャムという全寮制の学校で、普通の小・中学校とは違って、生徒たちは臓器提供だけのために生まれてきた「クローン人間」である。しかもこの学校は、「クローン人間」でも…

◎佐々木正美先生について。(新間草海氏のブログから)

〇知人のkさんがFacebookに転載してくれる新間草海氏のブログ記事を楽しみにしている。今回のタイトルは「故・佐々木正美先生のこと」 今年の6月に、児童精神科医の佐々木正美先生は亡くなられた。 新間氏は「中心子どもの家が主催する講演会、勉強会に何…

◎再録「新間草海著『叱らないでもいいですか1』を読んで」

*昨日、新間草海氏のブログ「佐々木正美先生について」を紹介した。そのブログをもとにした著書を2年前に紹介した。此度その記事を掲載したブログを閉じることもあり、とても面白いので、ここに再録する。 〇Sくん、しあわせになりなよ! ​ 新間草海著『叱…

◎重松清『赤ヘル1975』と戦争・原爆の語り継ぎ

〇重松清『赤ヘル1975』を読む 大のカープファンで、リーグ優勝が現実のものになりはじめてからソワソワする日が続いて、優勝が決まって取りあえずホットしている。 小学生の頃、父に連れられて試合をみに後楽園、駒沢、神宮などによく行っていた。父は今の…

◎石川直樹『いま生きているという冒険』

〇「老い」への冒険 安曇野地球宿のスタッフK君が、2年間の体験を終えて、新たな一歩を踏み出すとのメールが送られてきて、何か応えたくなり返信のメールを送った。2度地球宿を訪問し、彼の存在の大きさを実感していて、この期間、望さんが政治に専念でき…

◎大岡昇平『俘虜記』『野火』を読んで

※『俘虜記』『野火』を読んで(1) 〇事態は動物的ですらなかった 敗戦濃厚な戦時中という異様な状況で、死と直面している人々の意識、感覚などの混乱と交流を、心理分析と戦場空間に広がる自然、風景を秀麗なレトリックで随所に織り込みながら描いたものだ…

◎「時空遍歴」を読んで(現在このHPは閉じられている)

〇リンク先のHP「ビジョンと断面」に掲載されている連載「時空遍歴」について「時空遍歴(25)」までを通して読んでみた。(現在このHPは閉じられている) 知人に紹介されて閲覧を始めたHP「ビジョンと断面」だが、最初の頃、小説以外はもう一つ馴染めな…

◎どの人にも無限の可能性がある(乙武洋匡氏から)

〇乙武洋匡氏に触れて 精神障害者や重度心身障害者などの介護ヘルパーや精神保健ボランティアグループなどで活動していたとき、当事者の親御さんと、打ち合わせ、検討会、懇談会などで一緒に考えたり、行動を共にしたりした。 当事者は様々な困難を抱えてい…

◎レイチェル・カーソン著『センス・オブ・ワンダー』から

○一歳余の幼児を育てている東京の知人から、ときどき農業や畜産などの自然環境を感じられるところに、子どもを連れていきたい。そのような場として岡部実顕地を一度訪ねてみたいとの連絡があり、岡部の知人に繫げた。昨年何度かその子と接していて、その成長…

◎食といのち (福岡伸一『生命と食』から)

○福岡伸一『生命と食』(岩波ブックレット、2008年)などを参考にしながら、「いのちと食べる」について考えてみる。 人は他の生物をいただくことで生きていける。生きるというのは食べ続けることであり、食わなければ生きられないという、人が生きるという…