日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

日々彦「詩句ノート」

◎病気を楽しむ心とは

〇「今年のささやかな抱負」 ・一日一万歩:退院後から続いている。ぎこちなくても歩くことを大事に。さまざまな出会いを楽しみ、同時に自然界のもろもろについての感度を磨いていきたい。 ・日録に一日一句添えて:病と向き合うことで老いる・生きることに…

◎日々彦「詩句ノート」、福井正之『追わずとも牛は往く』から

〇福井正之『追わずとも牛は往く』第三章「夏 牛たち」ー乳牛との”格闘”より抜粋 「西守さん、うまく行かないのは牛が悪いと思ってるでしょう」 彼は人事だがなにかあると牛舎の助っ人に入ることが多い。図星だった。自分はどこまでも牛の自発的な動きを援助…

◎日々彦「詩句ノート」、加藤典洋『戦後入門』(ちくま新書、2015)

〇加藤典洋氏による日本国憲法「九条強化案」 憲法第九条 一、日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。(1項は現行通…

◎日々彦「詩句ノート」、鶴見和子 歌集『回生』など

〇鶴見和子 歌集『回生』(藤原書店、2001 )などから ※脳出血で斃れた夜から迸り出た短歌一四五首。著者の「回生」の足跡を内面から克明に描き、リハビリテーション途上にある全ての人に力を与える短歌の数々 ・回生の花道とせむ冬枯れし田んぼにたてる小さ…

◎日々彦「詩句ノート」、緒方正人「三十八億の命の願い」

〇緒方正人「三十八億の命の願い」より抜粋 (KAWADE道の手帖『石牟礼道子 魂の言葉、いのちの海』に所収) 「私は二十歳の頃、水俣病の運動に入りました。それから実質十二年ぐらい川本輝夫さんとやっていたんですけど、一九八五年当時三十二歳の秋に、私自身…

◎日々彦「詩句ノート」、小池真理子『沈黙のひと』

〇「父の遺品――『沈黙のひと』が生まれるまで」 文:小池真理子、(文藝春秋BOOKSより) ・最後まで生きようとした男 ある日、酒の席で、長く親しくしてきた文藝春秋『オール讀物』の編集者にそんな話を打ち明けた。父の死後、半年ほどたっていたと思う。 遺…

◎日々彦「詩句ノート」、ラッセル=アインシュタイン宣言

※重要なことが書かれていて宣言内容の全文あげる。宣言署名者など「ウィキペディア」参照 ラッセル=アインシュタイン宣言 - Wikipedia ラッセル・アインシュタイン宣言(1955) 人類が直面している悲劇的な情勢の中、科学者による会議を召集し、大量破壊兵器…

◎日々彦「詩句ノート」、アインシュタインの言葉から

〇アインシュタインの言葉から アインシュタインの言葉について、さまざまな書籍があり、インタネットで「アインシュタインの名言」と検索すると、英文の付いたものも検索できる。 だが、ある文章にある一部文の言葉は、前後の文脈を見ていかないと、その真…

◎日々彦「詩句ノート」、福井正之『追わずとも牛は往く』

★新刊本 福井正之著『追わずとも牛は往く』概要紹介 大空と大地と牛と 夢太き人々 今からざっと40年前、〝ブラブラ酪農〟の噂を聞いた社会科教師。 何を血迷ったか職をなげうち、一家四人でそこへ飛び込んだ。 ところは北海道別海原野。 おまけにそこは給…

◎日々彦「詩句ノート」、宮尾節子の詩「きれいに食べている」

〇宮尾節子・詩「きれいに食べている」 ・宝石をひろうように、きれいな言葉をひとつ見つけました。 『毎日新聞のニュースサイト「毎日jp」に4月、東日本大震災で亡くなった息子の弁当を、がれきの中から発見した両親の記事が掲載された。母親は弁当箱が空…

◎日々彦「詩句ノート」、山尾三省・詩「水が流れている」「火を焚きなさい」

〇山尾 三省 (著), 山下 大明 (写真)『水が流れている―屋久島のいのちの森から』から ・山尾三省・詩「水が流れている」 水は どこにでも流れているが その水が ほんとうに 真実に流れることは あまりない 多くの時には 水はただ流れているだけで 真実に流れ…

◎日々彦「詩句ノート」、飯田龍太の俳句50句

〇わたしが選んだ飯田龍太の俳句50句 一月の川一月の谷の中 一月の瀧いんいんと白馬飼ふ 白梅のあと紅梅の深空あり 紺絣春月重く出でしかな 春の鳶寄り別れては高みつつ 雪の峯しづかに春ののぼりゆく いきいきと三月生る雲の奥 朧夜のむんずと高む翌檜 満…

◎日々彦「詩句ノート」、坪内稔典による金子兜太さんへの【追悼】

〇【追悼】金子兜太さん 現代俳句史でんと存在 俳人 坪内稔典 「曼珠沙華どれも腹出し秩父の子」 「どれも口美し晩夏のジャズ一団」 「暗黒や関東平野に火事一つ」 これらは若い日の金子兜太さんの句だが、表現やイメージが大胆で端的、ちまちましていない。…

◎日々彦「詩句ノート」、石牟礼道子の俳句など

〇『石牟礼道子全句集 泣きなが原』から さくらさくらわが不知火はひかり凪 花ふぶき生死のはては知らざりき いかならむ命の色や花狂い 女童や花恋う声が今際にて 花びらも蝶も猫の相手して 毒死列島身悶えしつつ野辺の花 わが耳のねむれる貝に春の潮 睡蓮や…

◎日々彦詩句ノート、金子兜太 著 , 青木健 編『いま、兜太は』

◎金子兜太 著 , 青木健 編『いま、兜太は』岩波書店、2016 〇週刊『読書人ウェブ』書評(評者:青木亮人)から一部抜粋 本書は三部構成で、第一部は「自選自解百八句」、第二部にインタビュー「わが俳句の原風景」を収め、第三部は「いま、兜太は」と題して…

◎日々彦「詩句ノート」、「生きる」について(多田富雄、池田晶子)

〇小松成美『虹色のチョーク----』などから、よりよく生きることが働くにつながるのであり、働くために生きているのではない。 現社会で働くことは、その成果として収穫する、換金して稼ぐあるいは給料をもらい自らの生活を成り立たせていく。その結果として…

◎日々彦「詩句ノート」,多田富雄の最終詩集『寛容』(石牟礼道子)など

〇免疫学者、多田富雄の最終詩集『寛容』石牟礼道子から抜粋 今はこんな状態でとっさに答えができません。しかし僕は、絶望はしておりません。長い闇の向こうに、何か希望が見えます。そこに寛容の世界が広がっている。予言です。 ・多田富雄(NHK「100年…

◎日々彦「詩句ノート」ワーズワース「虹」、鶴見俊輔の言葉など

〇ワーズワースの詩「虹」(平井正穂 訳) 私の心は躍る、大空に、 虹がかかるのを見たときに。 幼い頃もそうだった、 大人になった今もそうなのだ、 年老いた時でもそうありたい、 でなければ、 生きている意味はない! 子供は大人の父なのだ。 願わくば、 …

◎日々彦「詩句ノート」サルトル『嘔吐』から

〇瀬戸内寂聴・齋藤慎爾『生と死の歳時記』の「日記」の項で、齋藤がサルトル『嘔吐』から引用している。 〈・「日記をつけるときは、つぎのことが危険だと思う。すなわち、万事誇張して考えること、待ち伏せをする気持ちでいること、たえず真実をでっちあげ…

◎日々彦「詩句ノート」、柳澤桂子 『いのちのことば 』福島智『指先の宇宙』など

〇柳澤桂子 『いのちのことば 』から ・次第に動けなくなっていく身体。 すべての望みは絶たれ、私は暗闇の中に放り出された。 医学からも見放され、孤独と絶望の中から生を見つめると、 それは赤々と炎のように輝いているではないか。 そのとき、私は科学を…

◎日々彦「詩句ノート」吉野弘『二人が睦まじくいるためには』など

〇吉野弘・詩『二人が睦まじくいるためには』 最近、いろいろな人との出会い・交流が続いている。人は基本的に独自なものではあるが、数多の人やものなどに支えられて生きていける。 その中で、よりよく生きているうえで、とりわけ大事にしたいことは、異質…

◎日々彦「詩句ノート」星野富弘『愛、深き淵』など

〇星野富弘『愛、深き淵』より 私は自分の足で歩いている頃、車椅子のひとを見て気の毒に思った。みてはいけないものをみてしまったような気持ちになったこともあった。私はなんと、ひとりよがりな高慢な気持ちを持っていたのだろう。 車椅子に乗れたことが…

◎日々彦「詩句ノート」大岡信の詩「虫の夢」「春のために」など

〇大岡信の詩から ・「虫の夢」 「ころんで つちを なめたときは まづかつたけど つちから うまれる やさいや はなには あまい つゆの すいだうかんが たくさん はしつて ゐるんだね」 こどもよ きみのいふとほりだ 武蔵野のはてに みろよ 空気はハンケチの…

◎日々彦「詩句ノート」良寛の俳句・和歌など

〇良寛の俳句と和歌から 良寛(1758~1831)は江戸時代後期の曹洞宗の僧侶、歌人、漢詩人、書家。本名山本栄蔵。号は大愚.越後出雲崎の名主の家に生まれ,18歳で出家し、34歳で諸国行脚の旅に出たのち、郷里に住み五号庵をいとなみ、托鉢生活を続けた。69…

◎日々彦「詩句ノート」 滑舌練習帳など

〇舌の体操について 社会福祉の活動に携わってきて、高齢社会の大きな課題として口腔ケアのことを思う。 日ごろからよく話をする、ハッキリ口を動かす,食事の際よく咀嚼することなどが大事なのだが、どちらかというと男の人はそのような機会が減少し、あまり…

◎日々彦「詩句ノート」 伊藤君恵『元山脱出』など

〇伊藤君恵『元山脱出』の五 (※本ブログ2015年6月6日に全文掲載) ※平成八年、引き揚げ五十年目を迎えるに当り、往時を回顧し、日本の歴史の大変動の波を受けた体験を是非子や孫に伝えたるべく、義母・伊藤君恵が書き綴ったものである。 五 元山脱出 昭和二…

◎日々彦「詩句ノート」 石牟礼道子「花を奉る」など

〇石牟礼道子「花を奉る」 春風萌(きざ)すといえども われら人類の劫(こう)塵(じん)いまや累(かさ)なりて 三界いわん方なく昏(くら)し まなこを沈めてわずかに日々を忍ぶに なにに誘(いざな)わるるにや 虚空はるかに 一連の花 まさに咲(ひら)かんとするを聴…

◎日々彦「詩句ノート」 坪内稔典『モーロク俳句ますます盛ん』など

〇坪内稔典『モーロク俳句ますます盛ん―俳句百年の遊び』から ・レッスン9 老人俳句―なぜ老人は俳句を好むか かつてフランス文学者の桑原武夫は言った。「かかるものは、他に職業を有する老人や病人が余技とし、消閑の具とするにふさわしい」と。「かかるも…

◎日々彦「詩句ノート」 俳文「二月の色」など

〇俳文「二月の色」 総じて二月は色の乏しい季節で、その中で、居宅の近くにある山茶花、錦木、水仙は、寒さに強く丈夫で長い期間にわたって楽しませてくれている。 山茶花は2月に入ってからは徐々に涸れてきた。盛りの時は赤い花、白い花が、咲いたかと思う…

◎日々彦「詩句ノート」吉本隆明の詩『日時計篇』『転位のための十篇』など

〇吉本隆明の詩『日時計篇』『転位のための十篇』から 吉本隆明に関心があり詩もいくつか読んでみた。読み慣れていないことや表現が難しくよくわからないのが多く、実際あまり読みこんでいないのだが、その中で印象に残る二つの詩を記録しておく。また、吉本…