日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

◎人間の行動は、ほとんど無意識によってなされている。

〇どこまでも探究し、知っていこうとするとは、どういうことだろう?

 私たちがやること、考えること、そして感じることの大半は、無意識なものである。というところから、意識化できない身体の状態を考えて、ある方式のファスティングをしている。

 それと繋がるように思えるような記録がある。それは、「スクールブログ」に投稿されたIさんの「手が付けられない無意識の領域・・心の中、心の状態」で、サイエンズメソッドに関する記事であり、関心を覚えた部分を箇条書きにあげてみる。

 ・人間の行動の95%は、無意識によってなされている。

・その95%の無意識は、子ども時代の育ちに形成される。

・学校、親、家庭などの環境の中で、その子の無意識が作られていく。

・大人になってから、その無意識の部分を意識で変えようとしてもなかなか難しい。

・その無意識にあるものを意識化しても、それはやはり「考え」という意識になってしまい、それでは、無意識に潜む「心の状態」を変えることは出来ない。

・「心の状態」と表現している領域は、人間の考えや意識ではどうすることも出来ない領域のようだ。では、どうやって、そこを健康正常にしていけるのか?

・「知る」とは? 従来の知識を得るとか、分かる、とか、頭で理解する、という内容のものではなく、会得する、悟る、という無意識の領域で「知る」、というようなものらしい。

・この無意識の領域で知ることによって、意識では触れない「心の状態」に変化が起きてくる。

・そこで止まってしまうと無意識の領域の一部が意識化されただけで、そこに停滞して、自分は変わったと思うだけで、成長が停止してしまうことになる。

・どこまでも探究し、知っていこうとするとは、どういうことだろう?

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 子ども時代には特に大きな影響を受けるだろうが、今まで生きてきた様々な体験によって、無意識的にその人の考え方、心の持ち方ができているのだろう。

 身体についても、今までの食を含めた生活習慣によって、その人の身体がつくられている。

  精神分析家として著名なフロイトは,正常か異常かを問わず人間の心理は共通同一の原理で動いており、人の行動には無意識的な要素が作用していると考えていた。自分では認識できなくてもこのような無意識過程は個人の行動を大いに左右すると主張して,現代心理学に強い影響を与えた。そして、試行錯誤する中で無意識の記憶を言葉にすることで症状が改善するという治療法を見つけ出した。

  習慣化された自分の思考方法や食習慣などを見直していくときに、今までの根強い習慣をリセットするような機会や環境をつくることが大事ではないだろうか。

 また、身体の状態と心のありようは連動しているのではないかとも思っている。 

 池谷裕二『進化しすぎた脳』に、〈「動かそう」というクオリアがまず生まれて、それで体が動いてボタンを押すのではなくて、まずは無神経で神経が活動し始めて、その無意識の神経活動が手の運動を促して「ボタンを押す」という行動を生み出すとともに、その一方でクオリア、つまり「押そう」という意識や感覚を脳に生み出している。〉との文章がある。

  私たちが意識していることは無意識に脳がすでに行ったことを、遅れて認識しているだけ。おそらくどんなことでも、脳内で無意識的に神経活動が始まって動きだし、その後追いの形で、意識・意思が働くようだ。何がきっかけで神経活動が始まるのは、その人のなかで蓄積された何かがあるのでしょうが。