日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

詩集

◎日々彦「詩句ノート」盧進容(ロ・ジンヨン)詩『赤い月』『胸を張って生きよう』

〇盧進容(ロ・ジンヨン)詩『赤い月』 「赤い月」 為すすべもなく ただ呆然と 涙流れるままに 夜を仰げば 燃えさかる 炎を前にして そこに 赤い月 泣き叫ぶ父(アボジ)と母(オモニ) 娘四十を越え 初めて授かった孫 その二人が 炎の中にいる ぼくの同級生が …

◎日々彦「詩句ノート」吉野弘『二人が睦まじくいるためには』など

〇吉野弘・詩『二人が睦まじくいるためには』 最近、いろいろな人との出会い・交流が続いている。人は基本的に独自なものではあるが、数多の人やものなどに支えられて生きていける。 その中で、よりよく生きているうえで、とりわけ大事にしたいことは、異質…

◎日々彦「詩句ノート」星野富弘『愛、深き淵』など

〇星野富弘『愛、深き淵』より 私は自分の足で歩いている頃、車椅子のひとを見て気の毒に思った。みてはいけないものをみてしまったような気持ちになったこともあった。私はなんと、ひとりよがりな高慢な気持ちを持っていたのだろう。 車椅子に乗れたことが…

◎日々彦「詩句ノート」吉本隆明の詩『日時計篇』『転位のための十篇』など

〇吉本隆明の詩『日時計篇』『転位のための十篇』から 吉本隆明に関心があり詩もいくつか読んでみた。読み慣れていないことや表現が難しくよくわからないのが多く、実際あまり読みこんでいないのだが、その中で印象に残る二つの詩を記録しておく。また、吉本…

◎まど・みちおの『続・全詩集』の戦争協力詩について

〇過去に起こったことを現在に活かすことについて。 知人のブログに、まど・みちおの戦争協力詩に触れていて、思うことがあり調べてみた。 昨年11月戦争協力詩を含む「続 まど・みちお全詩集」(理論社、2015・9月)の刊行を期して、報道各社、関係者など…

◎貧しい発想に押しつけられる (岩崎航の詩「貧しい発想」,ノヴァーリス「光に関する論考など)

〇それぞれの意味の世界へ 岩崎航の詩「貧しい発想」の中の「貧しい発想を押しつけるのは やめてくれないか」という表現に出てくる「押しつける」という言葉に着目し、ブログなどに「貧しい発想法は、結局のところ、自分自身を縛ることになり、押しつけるこ…

◎岩崎航エッセイ集『日付の大きいカレンダー』を読んで

〇生きる(生き抜く)ことへの信頼感を培う ・「僕にはもう夢も希望もないよ」(エッセイより) 茫然と無感動な日々に流されていた頃、ぽつりと母に言ったことがあります。たんなる恨み言や愚痴というよりも、ごまかしようのない命の奥底からもれた呻きだっ…

◎岩崎航詩集『点滴ポール ~生き抜くという旗印』を読んで

贈「春光に生き抜くといふ旗印」 〇私の発想が私を押しつける ・「貧しい発想」(岩崎航) 管をつけてまで 寝たきりになってまで そこまでして生きていても しかたないだろ? という貧しい発想を押しつけるのは やめてくれないか 管をつけると 寝たきりにな…

◎長田弘さんの死去に触れて、覚書

○「日常愛」に生きぬいた人 今年の5月3日、詩人の長田弘さんが亡くなった。 「逝去の前日、毎日新聞のインタビューに応え、刊行されたばかりの『長田弘全詩集』(みすず書房)に託した思いを語った。これを集大成に半ば死を覚悟し、残された時間を自分のた…