日々彦通信から
※改訂再録 〇病弱者や障害者、老齢者に対する思いやりがなければ、文化も文明も存在しなかっただろう。 先日老年学会から「高齢者の定義を75歳以上に」という提言があった。老齢意識は人それぞれであり、目安として健康寿命があり、統計では男女いずれも70歳…
〇みなで支え合いながら、よりよく生きていこうよ 多くの人にとって、過去のつらい出来事や思い出話を語るとき、「過去におきた事実」をありのままに語ることはできないだろうと思っている。意識的か無意識的であるかは、人によって違いはあると思うが、現…
〇『熊本地震2016の記憶』から 熊本地震から一年たち、ここ数日各種報道による様々な声が発信されている。車中泊などで直接死よりも関連死の方が多いという特異性があるなど、その困難さが伝わってくる。 一方、次から次へと起こってくる様々な情報のなかで…
〇人生が何を私たちから期待しているのか ・はじめに 最近、知人の訃報が続き、親しくしている人の急遽入院されたとの連絡を受けることがあった。 私は、特に身体に関して妙な違和感を覚えることが多くなり、「老い」や「死」について考えることも度々おこる…
〇「認知症事故賠償訴訟」の判決について 平成19年、愛知県大府市のJR共和駅の構内で、認知症の91歳の男性が電車にはねられ死亡した事故で、JR東海は振替輸送にかかった費用などの賠償を求める裁判を起こし、1審と2審はいずれも家族に監督義務があ…
〇知人Kさんの投稿から 最近、知人Kさんの、80歳前後の両親の今後についての思いを綴ったFacebookへの投稿があった。 それに対し、様々な方からご自分の体験などを交えてのコメントが続いている。 私も、このことはKさんだけでなく現在の高齢社会の課題…
〇〈老い〉や〈高齢社会〉について現時点(今年70歳になり向老期として見ている)で思うことを綴っていこうと考えている。 現在は見方が少し変わってきているが。以前、高齢者の介護活動や義父母をみとるなかで、「老いる」とは、どういうことなのかについ…
(12月29日) 今年7月に起こった相模原市の障害者施設殺傷事件は、障害者へのヘイトクライム(差別・憎悪の犯罪)だとの見方が広がっている。ほとんどの事件はその特異性とともに社会状況が反映しているが、とりわけ大きな社会的問題を孕んでいると思ってい…
〇相模原・障害者施設殺傷事件に触れて それを知人から知らされたとき、「なんて酷いことをするのだ」というような思いが出てくる。その後のニュースや知人の話から、犯人の「重度の知的障害者や重複障害者は1人で生きることができず、税金で養ってもらって…
〇昨日(17日)は誕生日で69歳になる。その日は、マスコミでは舛添東京都知事の辞職とイチロー選手の安打記録の話題が盛んだった。そのことに関連して〈信念と態度〉のことを考えた。 ここでいう〈信念〉とは、意識的・無意識的にかかわらず、ある考え方を「…
〇人間の脳を特徴づけている再帰的な性質「リカージョン」について、池谷裕二論を参照しながらあげてみる。 「言語の構造の一つの特徴は、リカージョン、つまり「再帰」にある。—-再帰とは、「タロウ君は、ジロウ君が、ハナコちゃんがお人形遊びをするの、を…
〇何か考えていくときの方法として、帰納法、演繹法と並ぶ第三の推論法として、アブダクションがある。最新の科学成果を駆使して、具体的に語ってくれる池谷裕二に面白さを感じている。。 アブダクションとは、 起こった現象を最もうまく説明できる仮説を形…
〇このところ、「自分にたてこもらない(他者体験)」ということを考えている。最近、まど・みちおの戦争協力詩についての一連の報道に触れていくと、「間違い主義」のことにつながっていった。 それについて、鶴見俊輔は、次のように度々取り上げている。メ…
〇糖尿病と糖質制限食について 昨日、芦屋市のY内科クリニックに行き、検査・診察を受けた。高血糖で15年ほど前から服薬を続けているので、移住後いろいろ調べて、糖尿病に関して相談できそうなところを探し、診察を受けている。 昨年の9月半ばから、糖尿病…
〇異質な他者と 25日のブログで、「エマニュエル・レヴィナスは,自我意識にたてこもらない他者体験を,『他者の顔』と表現した。そして,「顔を前にして応答する」ことは「顔に対して責任を負う」ことであるとして,リスポンシビリティ(応答可能性=責任)…
〇「顔を前にして応答する」ことは「顔に対して責任を負う」こと。 知人のブログやFacebookの投稿を読んで、触発されることがよくある。最近映画化にもなって話題になっている杉原千畝について、知人KさんやFさんの投稿記事で、映画の感想も含めて様々な角度…
〇「老い」への冒険 安曇野地球宿のスタッフK君が、2年間の体験を終えて、新たな一歩を踏み出すとのメールが送られてきて、何か応えたくなり返信のメールを送った。2度地球宿を訪問し、彼の存在の大きさを実感していて、この期間、望さんが政治に専念でき…
〇おぐらやま農場からのお便り 先日、おぐらやま農場から「あいかの香り・名月・王林・洋梨・南水梨」のバラエティーに富んだセットがおくられてきて、農場便りや紹介文も含めて、日々の暮らしに楽しみを添えている。 以前のブログでも触れたが、農場は炭素…
〇こころに残るエピソード 昨日知人夫妻が遊びに来てくれた。小説の話になり、旦那は村上春樹の新刊の話を、奥さんは最近大岡昇平「野火」を読んだとのことで、話が弾んだ。 最近のブログに、『野火』についての雑感を載せていた。その際に、戦時下におけ…
〇糖尿の薬をやめてみる 私の身体を心配した娘から、それについての研究、仕事をしているM氏を紹介された。その方は、病院のリハビリ指導を経て接骨院を立ち上げ、現在はボクサーのトレーナなどをしながら、体の研究に励んでいるそうだ。 昨日、いろいろ…
〇家の整理や処分で思うこと 家の処分に関しては、先ず子どもや親族、ごく親しい知人に声かけ、誰もいないなら、精神障害者の退所支援をしている精神保健福祉支援グループにと考えていた。この地区では空き家が増え続けていて、それだけは避けたかったが、築…
長年、義父母が暮らしてきた家の整理 ここのところ連日、あらゆるものを整理整頓して、次の準備に取り掛かっている。7月25日に、義母の一周忌法要があり、その後、現在の住まいを次の人につなげ、身軽になって移住しようとすすめている。 それにしても、…
〇知人の死去や入院に触れて 6月末に逝去された知人二人の様子について、以前から、癌のことや体調がすぐれていないことなど三人の友人からメール連絡を受けていた。友人からは、親身になって心配している様子が伝わってきて、連絡をしていただくのはあり…
○私の母のことに思いをはせる 6月19日の新聞(山陰中央新報)に「93歳母の首絞め死なす」との見出し記事が掲載されていた。事件をおこした当事者は入院中の父親と介護をしている母親と暮らしている70歳になる長男だ。 朝方、自宅を訪問した介護施設の…
〇義父母と戦争体験 義母一家が朝鮮に移住したのは大正末頃だった。その理由を詳しく話してもらわなかったが、心機一転的な要素があったようだ。 3・1運動後の文化政治の陰で、治安第一主義の標榜のもとに警察官の募集が積極的に行われ、義母の父親は巡…
〇母と朝鮮 私の母は、1919年に朝鮮忠清南道公州郡の郵便局官舎で出生した。母の父は一家で朝鮮に移住し、そこの郵便局を見ていく人として配置されたらしい。ところが、その当時スペイン風邪が世界中で猛威をふるっていて、その渦中で亡くなり、幼児の頃…
〇エントロピー増大の法則から 私たちの生命や生活、経済的な営みなどを含めて万物は、根源的に「エントロピー増大の法則」に支配されていて、自分たちの生命や生活を維持しようとする活動、あるいはエネルギー問題への取り組みなどは、エントロピーの増大を…
〇責任追及は横において Facebookの投稿や知人のHP『ビジョンと断面』(現在は閉じられている)の、「責任追及は横に置いて」 遺族とJR西日本の「いのちをめぐる対話」を読んで考えたこと。 これは、NHK・クローズアップ現代(2015年4月20日放送)「いのち…
〇ネットによる特定テーマの広場 先日、『叱らないでもいいですか』の本の書評で、「教師は、自校や近隣の学校のみの交流だけでなく、せっかくインターネットやブログ、という手段があるのだから、学校経営等や自分の理念についても、いろいろとさらけ出し…
〇20日から2泊3日で安曇野地球宿を訪問した。 かねてから行きたいと思っていての実現で、幾人かの知人の歓待を受けて、とても素晴らしい時間を持てて、泰子共々とても嬉しかった。また、様々なことを考えさせてくれた。 地球宿での感想を手短にいうと、…