日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

日々彦「詩句ノート」

◎日々彦「詩句ノート」、『石原吉郎句集』と短歌集『北鎌倉』

〇『石原吉郎句集』と短歌集『北鎌倉』 石原吉郎(1915-1977)は、1945年ソビエト軍に抑留、25年の「重労働刑」を宣告されシベリアの強制収容所で服役。1953年スターリン死去に伴う「特赦」により帰還、その後、本格的に詩を書き始め、その分野で注目されるよ…

◎日々彦「詩句ノート」、柳美里著『町の形見』の巻末の挨拶文から

〇柳美里著『町の形見』の巻末の挨拶文から ・言葉の解放(「静物画」パンフレット挨拶文)より 〈2011年三月十一日とその後に続く避難生活の中で声を呑み、感情を巻き添えにして沈黙を通している人は多い。 言葉は、元来、声である。 沈黙の中から感情…

◎日々彦「詩句ノート」、正岡子規の俳句、短歌、随筆『病牀六尺』など

〇正岡子規の俳句、短歌、随筆『病牀六尺』 正岡子規(1867年―1902年)。1897年(明治30年)に俳句雑誌『ホトトギス』を創刊。子規31歳の1899年夏頃以後は脊椎カリエスからほとんど病床を離れえぬほどの重症となり、数度の手術も受けたが病状は好転せず、や…

◎日々彦「詩句ノート」、V・E・フランクル『それでも人生にイエスという』

〇V.E. フランクル『それでも人生にイエスと言う』の言葉から ・私たちが「生きる意味があるか」と問うのは、はじめから誤っているのです。つまり、私たちは、生きる意味を問うてはならないのです。人生こそが問いを出し私たちに問いを提起しているのです。…

◎日々彦「詩句ノート」、浅井慎平句集から

〇浅井慎平句集から ・『ノスタルジア』(浅井愼平句集 2008) 「ノスタルジアは人生そのものである。人はなにかを見ればなにかを思い出す。五感すべてがノスタルジアの装置というわけだ。ぼくの場合俳句という表現にノスタルジアが、いつも忍び寄ってくる。…

◎日々彦「詩句ノート」、さだまさし作詞・作曲『風に立つライオン』

〇さだまさし作詞・作曲『風に立つライオン』 突然の手紙には驚いたけど嬉しかった 何より君が僕を怨んでいなかったということが これから此処で過ごす僕の毎日の大切な よりどころになります ありがとう ありがとう ナイロビで迎える三度目の四月が来て今更…

◎日々彦「詩句ノート」、さだまさし「償い」「親父の一番長い日」

※Facebookの友人たちの交信のなかで、さだまさしの曲「償い」「親父の一番長い日」が話題に出ていた。私も聞いてみて、そこからいろいろなことを考えた。 その作詞作曲の経過は『ウィキペディア(Wikipedia)』に詳しく紹介されていて、YouTubeで検索すると…

◎日々彦「詩句ノート」、照井翠の講演

※東日本大震災は、文芸の各分野に、それを語る表現についての様々な課題をもたらし。俳句関係者(誌)も度々そのことを取りあげている。また、いろいろな体験や関心から多様な俳句が数多く生み出されている。 東日本大震災に関しては、高野ムツオ氏や照井翠…

◎日々彦「詩句ノート」、『悲傷と鎮魂 阪神大震災を詠む』

※1995年1月17日、淡路島付近を震源とする阪神淡路大地震は数多くの人命を奪い、建造物等の被害は莫大なものとなった。 この巨大地震は「豊か」といわれてきた私たちの社会や暮らしが、決して堅固なものではなく、いつ崩落するか分からない。もろくはかない…

◎日々彦「詩句ノート」、谷川俊太郎の詩「コトバの波紋」「世間知らず」

〇『生きる―わたしたちの思い』谷川俊太郎with friends について 「谷川俊太郎さんの傑作『生きる』をお手本に、みなさんの『生きる』をつなげてひとつの詩みたいなものを作りませんか?」 07年秋、mixiに書き込まれた呼びかけに、半年で2000件を超える投稿…

◎日々彦「詩句ノート」、天野忠の詩集から

〇ユーモアの精神で老いを生きる(天野忠の詩集から) 70歳を過ぎた私たちや同年齢以上の友人夫婦を見ていて、しばしば老夫婦のあり方を考えるようになる。生まれも育った環境も異なる同士が、何らかの機縁で共に暮らすようになり、長年の間にはお互いの長所…

◎日々彦「詩句ノート」、私が注目した2018年度プレバト俳句20選

〇1月初めの「プレバト(俳句)」は、名人・特待生9人による「冬麗戦」で兼題は「結露」。東国原英夫の「凍蠅や生産性の我にあるや」が優勝一位になる。 「凍蠅」は寒さで氷りついたように動かない冬の蠅を言う。結露から「凍蠅」を連想した発想と、昨年物…

◎日々彦「詩句ノート」、福井正之『追わずとも牛は往く』から

〇福井正之『追わずとも牛は往く』第三章「夏 牛たち」ー乳牛との”格闘”より抜粋 「西守さん、うまく行かないのは牛が悪いと思ってるでしょう」 彼は人事だがなにかあると牛舎の助っ人に入ることが多い。図星だった。自分はどこまでも牛の自発的な動きを援助…

◎日々彦「詩句ノート」、加藤典洋『戦後入門』(ちくま新書、2015)

〇加藤典洋氏による日本国憲法「九条強化案」 憲法第九条 一、日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。(1項は現行通…

◎日々彦「詩句ノート」、鶴見和子 歌集『回生』など

〇鶴見和子 歌集『回生』(藤原書店、2001 )などから ※脳出血で斃れた夜から迸り出た短歌一四五首。著者の「回生」の足跡を内面から克明に描き、リハビリテーション途上にある全ての人に力を与える短歌の数々 ・回生の花道とせむ冬枯れし田んぼにたてる小さ…

◎日々彦「詩句ノート」、緒方正人「三十八億の命の願い」

〇緒方正人「三十八億の命の願い」より抜粋 (KAWADE道の手帖『石牟礼道子 魂の言葉、いのちの海』に所収) 「私は二十歳の頃、水俣病の運動に入りました。それから実質十二年ぐらい川本輝夫さんとやっていたんですけど、一九八五年当時三十二歳の秋に、私自身…

◎日々彦「詩句ノート」、小池真理子『沈黙のひと』

〇「父の遺品――『沈黙のひと』が生まれるまで」 文:小池真理子、(文藝春秋BOOKSより) ・最後まで生きようとした男 ある日、酒の席で、長く親しくしてきた文藝春秋『オール讀物』の編集者にそんな話を打ち明けた。父の死後、半年ほどたっていたと思う。 遺…

◎日々彦「詩句ノート」、ラッセル=アインシュタイン宣言

※重要なことが書かれていて宣言内容の全文あげる。宣言署名者など「ウィキペディア」参照 ラッセル=アインシュタイン宣言 - Wikipedia ラッセル・アインシュタイン宣言(1955) 人類が直面している悲劇的な情勢の中、科学者による会議を召集し、大量破壊兵器…

◎日々彦「詩句ノート」、アインシュタインの言葉から

〇アインシュタインの言葉から アインシュタインの言葉について、さまざまな書籍があり、インタネットで「アインシュタインの名言」と検索すると、英文の付いたものも検索できる。 だが、ある文章にある一部文の言葉は、前後の文脈を見ていかないと、その真…

◎日々彦「詩句ノート」、福井正之『追わずとも牛は往く』

★新刊本 福井正之著『追わずとも牛は往く』概要紹介 大空と大地と牛と 夢太き人々 今からざっと40年前、〝ブラブラ酪農〟の噂を聞いた社会科教師。 何を血迷ったか職をなげうち、一家四人でそこへ飛び込んだ。 ところは北海道別海原野。 おまけにそこは給…

◎日々彦「詩句ノート」、宮尾節子の詩「きれいに食べている」

〇宮尾節子・詩「きれいに食べている」 ・宝石をひろうように、きれいな言葉をひとつ見つけました。 『毎日新聞のニュースサイト「毎日jp」に4月、東日本大震災で亡くなった息子の弁当を、がれきの中から発見した両親の記事が掲載された。母親は弁当箱が空…

◎日々彦「詩句ノート」、山尾三省・詩「水が流れている」「火を焚きなさい」

〇山尾 三省 (著), 山下 大明 (写真)『水が流れている―屋久島のいのちの森から』から ・山尾三省・詩「水が流れている」 水は どこにでも流れているが その水が ほんとうに 真実に流れることは あまりない 多くの時には 水はただ流れているだけで 真実に流れ…

◎日々彦「詩句ノート」、飯田龍太の俳句50句

〇わたしが選んだ飯田龍太の俳句50句 一月の川一月の谷の中 一月の瀧いんいんと白馬飼ふ 白梅のあと紅梅の深空あり 紺絣春月重く出でしかな 春の鳶寄り別れては高みつつ 雪の峯しづかに春ののぼりゆく いきいきと三月生る雲の奥 朧夜のむんずと高む翌檜 満…

◎日々彦「詩句ノート」、坪内稔典による金子兜太さんへの【追悼】

〇【追悼】金子兜太さん 現代俳句史でんと存在 俳人 坪内稔典 「曼珠沙華どれも腹出し秩父の子」 「どれも口美し晩夏のジャズ一団」 「暗黒や関東平野に火事一つ」 これらは若い日の金子兜太さんの句だが、表現やイメージが大胆で端的、ちまちましていない。…

◎日々彦「詩句ノート」、石牟礼道子の俳句など

〇『石牟礼道子全句集 泣きなが原』から さくらさくらわが不知火はひかり凪 花ふぶき生死のはては知らざりき いかならむ命の色や花狂い 女童や花恋う声が今際にて 花びらも蝶も猫の相手して 毒死列島身悶えしつつ野辺の花 わが耳のねむれる貝に春の潮 睡蓮や…

◎日々彦詩句ノート、金子兜太 著 , 青木健 編『いま、兜太は』

◎金子兜太 著 , 青木健 編『いま、兜太は』岩波書店、2016 〇週刊『読書人ウェブ』書評(評者:青木亮人)から一部抜粋 本書は三部構成で、第一部は「自選自解百八句」、第二部にインタビュー「わが俳句の原風景」を収め、第三部は「いま、兜太は」と題して…

◎日々彦「詩句ノート」、「生きる」について(多田富雄、池田晶子)

〇小松成美『虹色のチョーク----』などから、よりよく生きることが働くにつながるのであり、働くために生きているのではない。 現社会で働くことは、その成果として収穫する、換金して稼ぐあるいは給料をもらい自らの生活を成り立たせていく。その結果として…

◎日々彦「詩句ノート」,多田富雄の最終詩集『寛容』(石牟礼道子)など

〇免疫学者、多田富雄の最終詩集『寛容』石牟礼道子から抜粋 今はこんな状態でとっさに答えができません。しかし僕は、絶望はしておりません。長い闇の向こうに、何か希望が見えます。そこに寛容の世界が広がっている。予言です。 ・多田富雄(NHK「100年…

◎日々彦「詩句ノート」ワーズワース「虹」、鶴見俊輔の言葉など

〇ワーズワースの詩「虹」(平井正穂 訳) 私の心は躍る、大空に、 虹がかかるのを見たときに。 幼い頃もそうだった、 大人になった今もそうなのだ、 年老いた時でもそうありたい、 でなければ、 生きている意味はない! 子供は大人の父なのだ。 願わくば、 …

◎日々彦「詩句ノート」サルトル『嘔吐』から

〇瀬戸内寂聴・齋藤慎爾『生と死の歳時記』の「日記」の項で、齋藤がサルトル『嘔吐』から引用している。 〈・「日記をつけるときは、つぎのことが危険だと思う。すなわち、万事誇張して考えること、待ち伏せをする気持ちでいること、たえず真実をでっちあげ…