日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

内田樹

◎「昭和」「平成」から「令和」へ

〇新年号が「令和」となり、5月から実施されることになる。 『万葉集』巻五、梅花の歌三十二首の序文「時、初春の令月(れいげつ)にして、氣淑(よ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫(かをら)す」が典拠だ…

◎マルクスの自分中心的な人間観から「地動説」的な人間観への転換(内田樹『寝ながら学べる構造主義』から)②

わたしは知識としては地動説を知っているが、感覚としては,日が昇り・日が沈むといい、自然界の動きなどについてはほとんど、自己を軸にした天動説な見方をしていることが多い。これはものの見方、思考方式そのものが、少なからず天動説的な感覚を持って暮…

◎私たちは「偏見の時代」を生きている(内田樹『寝ながら学べる構造主義』から)①

〇本書のまえがきで次のように述べる。 〈知性がみずからに科すいちばん大切な仕事は、実は「答えを出すこと」ではなく、「重要な問いの下にアンダーラインを引くこと」なのです。 知的探求は(それが本質的なものであろうとするならば)、つねに「私は何を…

◎「あなたなしでは生きてゆけない」(内田樹『ひとりでは生きられないのも芸のうち』より)(ひこ生えの記⑫)

〇内田樹『ひとりでは生きられないのも芸のうち』を読んだ。何回も同じ本を読むことはあまりないが、この人の著作は読み返すことが多い。この本に所収されている、Ⅵ「死と愛をめぐる考察」―「あなたなしでは生きてゆけない」に促されるものがあり、自分に引…

◎「ありがとう」で成り立つ社会へ(ひこ生えの記⑨)

孫の誕生後、ひとは生まれから、おこってくる欲求などに、一方的に周りの人に受けとめられ、応えてもらうことで生きていけるのだなと思う。 少し考えれば、先人がつくり上げたものを当たり前のように享受し、ほとんどのことを他の人に支えられたりやってもら…

◎他者とは「時間差を伴った私」であるという想像力(ひこ生えの記⑦)

〇最近、息子が技術を生かして独立することになり、新たな事業場を借りて着々と準備を進めている。その事業場はかなり汚れていて、それなりに清潔にするために、日曜ごとに私たち夫婦が出かけて一緒に掃除、磨きなどしている。家族なら当然のような気もする…

◎「相互扶助的共同体」が成り立つ気風(ひこばえの記④)

※先回の投稿「先行世代から後続世代」に若い友人K君から次のようなコメントがあった。 「パプアニューギニアを見ていると、オーストラリア中国日本などを追い掛けているようです。日本のようにならなくたっていいのだよ、なってはいけないって、よく思うので…

◎先行世代から後続世代へ(内田樹『ローカリズム宣言』から)(ひこ生えの記➂)

※ここのところ身近な人が亡くなり、一方新たないのちが誕生している。そこで、改めて自分の立つ位置を考えてみる。 最近ともすれば自己の衰えに目がいきがちになるが、そのことよりも、人生リレーの一員として、世話を受けてきた先行世代からバトンを受け、…

◎人の「弱さ」に焦点をあてることで見えるもの

〇人は根本的に”弱い“生き物 NHKスペシャル「人類誕生」第 1 集「こうしてヒトが生まれた」は、次のように構成されていた。 霊長類から人類誕生の過程で、二足歩行‐道具の発明‐脳の発達、と身体の進化に相伴って、最近の研究成果から、家族の形成・一夫一妻…