日々彦「ひこばえの記」

日々の出来事、人との交流や風景のなかに、自然と人生の機微を見いだせてゆけたら、と思う。※日々彦通信から一部移行。

ひこ生えの記

◎「あなたなしでは生きてゆけない」(内田樹『ひとりでは生きられないのも芸のうち』より)(ひこ生えの記⑫)

〇内田樹『ひとりでは生きられないのも芸のうち』を読んだ。何回も同じ本を読むことはあまりないが、この人の著作は読み返すことが多い。この本に所収されている、Ⅵ「死と愛をめぐる考察」―「あなたなしでは生きてゆけない」に促されるものがあり、自分に引…

◎子どもたちが育つあたたかい社会へ(ひこ生えの記⑪)

〇先日Facebookに「子どもの育ちを描いたドキュメンタリー映画から」を紹介した。 映画は、「子どもの貧困問題」がクローズアップされている社会の現状をまずは知り、社会問題として考え、今、生きづらさを感じている子どもも大人も、誰もが幸せに暮らせる社…

◎「隣(とな)る人」に育まれて(子どもの育ちを描いた映画から)(ひこ生えの記⑩)

※「いのちとくらしの映画祭with湯浅誠」に参加する。生きづらい社会の中で困難を抱える子どもたちをめぐる二本のドキュメンタリー映画の上映と社会活動家・湯浅誠さんによる講演。 湯浅氏の講演は「子どもの貧困から考える」との内容で、日本では七人に一人…

◎「ありがとう」で成り立つ社会へ(ひこ生えの記⑨)

孫の誕生後、ひとは生まれから、おこってくる欲求などに、一方的に周りの人に受けとめられ、応えてもらうことで生きていけるのだなと思う。 少し考えれば、先人がつくり上げたものを当たり前のように享受し、ほとんどのことを他の人に支えられたりやってもら…

◎「生物的な親」から「受けとめ手としての親」へ(ひこ生えの記⑧)

出産後、自分の体のことで娘が病院に行くことになり、孫はわたしたちの居室で過ごすことになった。誕生後40日ほどで、母親から離れて別の部屋での初めての体験である。 孫にとっては、未だ母というより受けとめ手として、お腹がすく、あるいは何か不快なこと…

◎他者とは「時間差を伴った私」であるという想像力(ひこ生えの記⑦)

〇最近、息子が技術を生かして独立することになり、新たな事業場を借りて着々と準備を進めている。その事業場はかなり汚れていて、それなりに清潔にするために、日曜ごとに私たち夫婦が出かけて一緒に掃除、磨きなどしている。家族なら当然のような気もする…

◎乳幼児の知覚発達から「心の世界」へ(ひこ生えの記⑥)

娘の出産後、妻は3週間ほど家事支援に入る。乳児の風呂入れをするたびに、その子の身体が逞しくなっていくのを感じるそうだ。左手で頭を支え、右手で体を洗うのだが、日に日にどっしり感が伝わり、ときおり足をける動作もあり、出産時2800余の体重の増加が50…

◎「いのち受け吾子は花野をかけめぐる」(ひこ生えの記⑤)

娘の妊娠中に、生まれてくる子の名前をどうしようかと話題になったことがある。10月出産予定なので、女の子だったら俳句で秋の季語となっている「花野」で〈かの〉とよんではどうだろうかと言ったところ、娘も気にいったようで、そのように名付けた。 「花野…

◎「相互扶助的共同体」が成り立つ気風(ひこばえの記④)

※先回の投稿「先行世代から後続世代」に若い友人K君から次のようなコメントがあった。 「パプアニューギニアを見ていると、オーストラリア中国日本などを追い掛けているようです。日本のようにならなくたっていいのだよ、なってはいけないって、よく思うので…

◎先行世代から後続世代へ(内田樹『ローカリズム宣言』から)(ひこ生えの記➂)

※ここのところ身近な人が亡くなり、一方新たないのちが誕生している。そこで、改めて自分の立つ位置を考えてみる。 最近ともすれば自己の衰えに目がいきがちになるが、そのことよりも、人生リレーの一員として、世話を受けてきた先行世代からバトンを受け、…

◎乳幼児期の心の世界とは(鈴木秀男著『幼時体験』から)(ひこ生えの記②)

※旧友F氏が、ご自分が深く関わった体験からこの著に触れているブログ記録が印象に残っていて、この機会に著書を取り寄せて読んでみた。 〇鈴木氏は内科医として、人間の病気の成り立ちについて、乳幼児期の生活がきわめて重要な意味を持っていると、どうし…

◎娘の出産について(ひこ生えの記①)

※先月、小さいころ家族の一員としてなにかと面倒をみてもらってきた叔母(享年94歳)が亡くなった。ほどなく娘の出産があり、ひとが生まれてやがて死んでいくことについていろいろ思うことが続いている。 〇孫の誕生経過 ・10月19日:昼頃に娘の陣痛が始ま…